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【ちょいとコラム】「2022年新春大予言」 今年起こりそうな4つのこと

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【2022年1月6日】年が明けて、早くも6日目。今年は暦の関係でもう出社3日目という方もいらっしゃると思いますが、あらためて、明けましておめでとうございます。

さてこの稿、昨年「『2021年新春大予言』今年起こりそうな3つのこと」というタイトルで一年を占うコラムを書いたところ、非常に注目を集め、アクセス数でブッチギリのトップ、2位の約5倍読まれるヒット記事になりました。
コロナ禍で先の見えない世の中、少しでも先を見通したいという読者の思いが伝わってくる結果に味をしめ、今年も二匹目のどじょうを狙い、2022年の大予言をしてみたいと思います。

 

コロナからの回復はお上次第!?

昨年の予言で唯一外れたのが、コロナからのV字もしくはK字回復。
昨年書いたのは「コロナ禍籠城説」で、我々はコロナという強大な敵に、兵士も武器もなく、じっと城に籠っているというもの。
そして、ワクチンという援軍が来れば、城の門を開けて打って出るだろうとの予測でした。実際、ワクチンによって、感染者の重症化はかなりの割合で抑えられており、コロナ以前と同様の経済活動が再開されてもおかしくない状況が整っています。

ただ、思った以上に日本人のマインドが抑制的で、その分経済の回復も遅れています。
そして、年明けからの新規感染者増大、これもこの抑制に拍車をかけそうです(たぶんオミクロン株は弱毒化して普通の風邪に戻る一歩手前の状況だと考えられますが、それはまた別のお話…)。
今後もしばらく、抑制効果が効きすぎて「会食を控える」「マスクを取ってはならない」という「形式」が残っていく条件が整ってしまいました。

日本人は昔から、形骸化した形式を大事にして、何かそこに心があるような勘違いをしてしまうことがあります。「武士道」とか「サラリーマン道」みたいなのがそうですが、ほとんどの場合、本来の意味は失われて形式をもてあそぶものです(全部じゃないので、ウチは違うと思う“道”の方は抗議してこないでください)。
コロナ禍では、誰もいない歩道でマスクをして歩いている人や、ガラガラの飲食店に一人で来ているのにマスクをしているような人をよく見かけます。これって意味のない「コロナ道」みたいなものですよね。

これらの現象、日本ではお上(政府や行政)が「マスクを取りましょう」「皆さん会食を自由にしましょう」みたいなことを言わないと変わらないでしょう。

はるか昔ですが「クールビズ」が成功したのは、公務員が全員夏場に上着を着なくなったからです。あれと同じことをしないと皆マスクをしたまま、会食も控えたままになりそう。
そのタイミングがどこになるかで、経済の回復の時期も変わってくると感じます。

もう一つ可能性があるとしたら、民間企業が「街に出よう」「マスクを取ろう」というキャンペーンを広告などで行うこと。
「街に出よう」は飲食業界か旅行業界、アミューズメントパークなどがやりそうで、「マスクを取ろう」は化粧品業界がやりそうです(勇気ある会社、出てこいや!)。

そう言った雰囲気が醸成されれば、経済の回復が始まり、そこに印刷物やPOP、看板などの需要が出てくるはずです。

 

人手不足は根本的な課題に

さて人手不足に関しては、昨年も予言して、すでに起こっています。一部の会社からは「募集しても集まらない」との嘆きも聞こえてきています。
人件費も高騰しており、経営者にとっては二重の苦しみになっているようです。

背景には飲食店などの通常営業再開や、大手流通などの大量募集で、小規模事業者には、なかなか人材が回ってこないといったことがあります。
さらには、コロナ禍で過ごしたこの2年によって、労働者の意識も変わりました。これが大問題になりそうなのです。

先日会った若い知人のお話。
その方は業界ではトップクラス大企業に勤めています(印刷業界ではないです)。確かにこのコロナ禍で、業績はかなり厳しい状況ではありますが、それでも大手の金看板には変わりありません。
その方、そこを「辞めたい」というのです。

理由は「毎日出社するから」。
3年前なら「毎日会社いくのは当り前じゃ!ボケとんのんか!」の一言で一蹴されていたでしょうが、今は状況が違うというのは皆さんもお分かりかと思います。
その方の大学の同期は「ほとんどがリモート」。一方、その方の職場は、コロナ禍でも基本的には毎日出勤の上、自分の希望しないコロナ関連のお仕事もあったそうで、心をすり減らしたとか…(この方、私から見ても非常に優秀で、根性もあり、仕事に対して真摯な好人物です)。

若者の意識調査で仕事について聞くと、最も大事にするのは「余暇」と答える人が増えています。若者が欲しいのは「高給」ではなく「自分の時間」というのは、スマホ一つあれば時間が潰せて、買い物もできて、わりと生活が満たされている現代だからでしょうし、そうなるのも分かる気がします。

「リモートワークできないから辞める」と聞いて「甘ったれだ!」と思った方、あなたに聞きたい。
「リモートワークOKの会社と毎日出社の会社。あなたのお子さんを働かせたいのはどっちですか?」

この「リモートワークできる企業がいい」というのが、現場がある企業にとってはものすごく不利になっているのです。つまり、人手不足は一時的なものではなく、現場のある企業にとっては根本的な課題になるでしょう。

 

そして自動化&デジタル化

というわけで、若者たち(大人も)の心は現場から離れつつあります。それもものすごく急速に。
もちろん、すべてがリモートというわけにはいかないことも分かります。
私自身も経験しましたが、目標が設定されて、その内容の確認や進捗報告ならいいのですが、新しい商品やサービスをつくるときにリモートでのミーティングはまったくといっていいほど役に立ちませんでした。
ホワイトボードにアイデアを書き出しながら、相手の顔を見て密に話せば一瞬で伝わることが、リモートでは1カ月やっても互いに理解不能だったりします。
当然ながら、製造業ではリモートで現場作業はできません。
それでもリモートでできる仕事に人は流れていってしまいます。

経営者から見ても「雇用はリスク」という考えも出ています。
人は望んでも雇えないし、たとえ雇えても給与や休日が必要で、拘束が長く厳しい現場では技術を教えてもすぐに辞めてしまいます。

そこで必要となってくるのは昨年も書いた自動化やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とそれに伴うデジタルプリントへの移行です。
去年、取材したプリント関連会社でも「自動化への投資を進める」という話を聞きました。また「オフセット印刷は徐々に縮小し、デジタル印刷へ移行する」と宣言した会社もありました。
それぞれ細かな事情は異なりますが、できるだけ「人手に頼らない&人の技術に頼らない生産方法」を確立しようとしていることに間違いはありません。

プリント・印刷業界では、社内の工程管理にシステムを導入し、いわゆるDX化している会社も増えてきました(その方法も度合いもまちまちで、DXになっているか、必要かどうか微妙なところもありますが)。
進んだ会社はフロントエンド(受注部分)をデジタル化しているケースもあります。特に印刷・プリント通販業界では、これにより大幅に受注を増やし、コロナ禍でも大きな成長を遂げた会社があります。何せ営業マンがいらず、人と会わなくても受注できるのですから、コロナ禍の現在にピッタリなのです。

ベストセラー「アフターデジタル」で表されたデジタルの中で生活する社会が、コロナ禍によって、日本でも進展しました。好むと好まざると「デジタルの内側へ」という社会の変化は起こっているので、これを感じる経営者が増え、社内を自動化&デジタル化を意識的に始める会社が今年はさらに増えるでしょう。

 

NFT&プリントの可能性

上記の予言は、これまでの流れ通りですが、今年新たに注目を集めそうなのが「NFT」です。
すでに一部の印刷会社では取り扱いを始めていますが、この技術はプリント業界にも大きな変化をもたらしそうです。

NFTとは「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」を略したもの。ブロックチェーン(電子暗号)の技術を使った暗号資産の一つで、デジタル化された画像や絵を「本物」と証明する技術のことです。

これまでは、デジカメなどで写真を撮っても、Illustratorやクリスタでイラストを描いても、PCやスマホでSNSなどにあげれば簡単にデータは複製されてしまっていました。そこには本物という証明がなく、無限に複製され、改変され、ネットの世界を永久に漂い続ける運命が待っていました。

これにNFTはブロックチェーンで固有の認証を行い、限定何個または世界に一つだけという証明ができるようになりました。すでにアート作品や写真などで取引が行われており、数百円から最高では数十億円で売り買いされています。
さらにこれらの作品、転売した際にも作者に利益が還元されるように設定できます。これまでは、いくら高額で作品が売れても作家にはまったく利益はありませんでしたが、NFTの場合は異なるのです。

この証明、従来の絵画ではサインや落款などで行われ、印刷はロットナンバーを打つなどで行ってきたものです。もともと印刷に近いお仕事がデジタルではNFTが肩代わりしていると言ってもいいでしょう。

じゃあ今、NFTをどうやって使うか?という話になりますが、例えばご当地キャラクターの権利を持っている印刷屋さんがいますが、そのキャラの絵をNFT化し、販売するなどといったことが可能でしょう。キャラに背景や動きなどをつければ、季節限定やレアデザインとして価値が上がるかもしれません。
また、地方の風景などを絵葉書にして販売している印刷屋さんがいますが、これもNFT化が可能ではないでしょうか。

さらに、このNFT化されたデータをグッズなどに落とし込んだ際も利益が発生するように設定もできるはずです。
記者も、ご当地キャラのグッズ化にチャレンジしたことがありますが、手続きがなかなかに面倒くさいです。たぶん許可を出す方も、ものすごく面倒だろうなあと思いながら、申請をしていました。ちなみに個人でも、ご当地キャラのグッズ化は可能で、初期費用や利用料を無償で提供してくれるありがたいケースもあります。
NFTを活用すれば、これらの申請や売買を、面倒くさい手続きなしで、デジタル上で可能になります。

印刷業って、今はプリントするのと同時にデータを扱う産業でもあり、NFTとは意外に親和性が高いのではないかと思うのです。
プリント業界のある経営者の方が「スマホに入るものは印刷しても意味がない」とおっしゃっていましたが、まさにその通りで、そういう印刷はどんどん消えていくでしょう。
そこで消えた分を取り返すチャンスが今、古くからコンテンツを持っている側にきているのかもしれません。

 

おわりに

この2年間のコロナ禍、さまざまな情報が飛び交う中で感じたのは、単純な情報収集だけでは判断を誤るということです。
新型コロナウイルスも、ワクチンに関しても、流れてくる情報を鵜呑みにしていては、何も判断できませんでした。さらに自身や家族の肉体や生命にかかわることとなれば、迷うのも当たり前です。
情報を判断するには、知識に加え、体力(健康と言い換えてもいい)や経験といった総合力が求められるのだと感じます。

私は、去年からその判断力がないであろうNGな人の基準の一つとして以下のことを挙げています。
・スマホを持っていない
・SNSのアカウントがない
・いまだに缶コーヒーを飲んでいる
「厳しいことを言えば、上記に当てはまる経営者は、もう引退した方がいいです」(理由を知りたい方はご連絡ください)
とセミナーや講演会で言って、無用な敵を作っています(笑)。
プリント&プロモーションの読者にはそんな方は一人もいないと思うので、安心しておりますが。

さて、今回の予言も「当たるも八卦当たらぬも八卦」というわけで、外れたらごめんなさいしますのでお許しを!
1年後に答え合わせをできることを楽しみに、今年もがんばってまいりましょう。

 

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