【2016年6月7日】昨年オープンしたデジタルファブリックマーケットサイト「HappyFabric(ハッピーファブリック)」は、クリエイターのデザインを1mからプリントできるサイトとして注目が集めている。また、誰でも業務用デジタルプリンターを利用できるものづくりショップ「HappyPrinters(ハッピープリンターズ) HARAJUKU」。
この両方を企画したOpenFactory代表の堀江賢司氏に、前回「【この人に聞きたい!】OpenFactory 堀江賢司代表①」に引き続き話を聞いた。
「HappyPrinters HARAJUKU」に関しては
デジタル工作機を中心に産業用機器を自由に使えるファブラボのような“ものづくりスペース”が日本中で増えています。
今まで敷居が高かった産業用機器を自由に使えるので、個人でも気軽にものづくり、製品づくりができるようになりました。また、企業にとっては導入前のテストとしても利用できますし、機材メーカーも新製品のベータテストなどが可能で、多様な使い方をするユーザーを知る機会が増えたと感じます。
まあ、「そういった波に乗り遅れるな」ではないですが、HappyPrintersについては「世界一ワクワクする印刷工場」というキャッチフレーズを付けて、敷居を低くし、いろいろな方に印刷の楽しさを知っていただく場所にしています。
「世界一ワクワクする印刷工場」というのは素晴らしいですね
私自身が一番ワクワクして新しいインクジェットプリンタ(IJP)なんかを使っているのですが(笑)。それらの経験を通じて多くのことを学んでいます。最近では印刷機器導入についての相談を受けることも多く、同じようなスペースができる時に導入のサポートもさせてもらっています。
ユーザーはどんな人で、どのような使われ方をしていますか
IJPは個人のお客さまが多いですね。名入れのようなものではなく、カスタム用途が多く、作った商品を販売されるケースもあるようです。
IJPなどの機器について使い方を知っていただくことで、クリエイターさんから出てくるアイデアも変化していると感じます。
やはり、知ってもらうことは重要です。産業用の機器はどこにでもあるものではないので、これまで一般の方はどのようなものか知る機会がありませんでした。しかし、触れる機会を増やしていけば、さまざまな使い方が生まれてくる可能性が高まりそうです。
大量生産品のパッケージやラベルにも影響があるのではないでしょうか。そういったものをカスタムしたいという需要が増えてくれば、ロゴの位置やデザイン全体が変わってくるかもしれません。
HappyPrintersの現状と今後は
ものづくりスペースの市場規模がどのくらいかは知りませんが、確実に市場は広がっていると感じます。私のところにも、大手小売りなどから出店の依頼が来ています。小売店はモノづくりスペースを店内に持つことにより、ステータスの向上を狙っています。そのくらいこういった企画は注目され、意識の高い事業と思われています。
店舗自体の黒字化も見えており、この事業について「やれる」という確信を持つことができました。
堀江さんの目標をお聞かせください
私が始めたこれらの事業は、爆発的に利益が出るものではないですし、急激に店舗数が増えるものではありません。
しかし、続けていくことで少しずつ、面白い印刷が生まれる可能性が高まっていくと思うのです。
今年は文化服装学院の生徒さんたちから「HappyFabric」にデザインしてもらい商品化するコンペを行うなど、若い方に印刷の魅力を伝える教育にもかかわりました。
「印刷って大変そう」「印刷って難しい」そんなイメージを変えていける、みんなが参加できる場所を提供していければうれしいです。
「HappyPrinters(ハッピープリンターズ) HARAJUKU」
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