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包装機械工業会 食品大手6社と「生産設備データ標準化コンソーシアム」を設立 味の素・カルビー・サントリーなどが参画

【2025年10月3日】味の素、味の素食品、カルビー、サントリーホールディングス、ハウス食品、明治の食品大手6社と、日本包装機械工業会は7月に「生産設備データ標準化コンソーシアム」を設立した。事務局はアビームコンサルティングが担う。

同コンソーシアムは、食品製造業における生産設備データの標準規格策定を目的とする。特に共通性が高い包装工程を対象に、国際規格を基盤としたデータ仕様と通信方式の標準化を検討する。
これにより、中小企業でも専門知識を持たずに低コストでデータ利活用が可能となり、予防保全や品質管理、稼働率向上などにつなげる狙いだ。

背景には、食品製造業が労働集約型産業である一方、人材不足や品質保証の高度化といった課題に直面している状況がある。
現状では設備ごとに通信仕様やデータ形式が異なり、データ統合や活用に大きなコストがかかっている。このため業界全体で共通規格を求める声が強まっていた。

活動内容としては、生産設備データの標準化や合意形成、モデル実証を含む検証、ガイドブック作成と普及、関係官庁との情報連携・提言などを予定している。農林水産省などとも連携し、標準化の普及を目指す。

日本包装機械工業会は、「今回の取り組みは当工業会が推進するIoT標準化指針『JPack-Fmt』の展開における重要なマイルストーンであり、食品製造ライン全体での効率的なデータ活用を促進する」とコメントしている。

参画企業・団体(2025年7月現在)

  • 味の素
  • 味の素食品
  • カルビー
  • サントリーホールディングス
  • ハウス食品
  • 明治
  • 日本包装機械工業会
  • アビームコンサルティング(事務局)

代表者:味の素 食品事業本部 食品生産統括センター長 宇田 茂平氏

 

日本包装機械工業会からのコメント

本コンソーシアムへの参画は、当工業会が2025年5月に正式発表いたしましたJPack-Fmt(包装システムにおけるIoT標準化指針)の戦略的展開における重要なマイルストーンであり、業界横断の標準化を推進する取り組みと位置づけております。

JPack-Fmtは『つながるだけでなく、活用するための共通言語』をコンセプトに、ユーザーの業界のニーズも踏まえて包装機械業界でのデータ標準化を目指して策定いたしました。現在業界全体への普及活動を積極的に推進している段階にあります。

本コンソーシアムが目指す食品製造業の生産設備データ標準化とJPack-Fmtの方向性は、包装工程における『異なるメーカー間でのデータ連携』という核心的な理念を共有しております。JPack-Fmtの技術基盤を活用することで、包装工程を含む食品製造ライン全体での効率的なデータ活用が実現し、特に中小企業の皆様のIoT導入を力強く促進し、その普及を加速できるものと確信しております。

JPack-Fmtが、コンソーシアム標準規格の基盤を為すことで、食品製造業全体のDX推進と包装機械業界の技術革新に貢献し、日本のものづくり産業の国際競争力強化という未来志向の取り組みを力強く推進してまいります。

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