【2020年5月18日】全国グラビア協同組合連合会(全グラ)はこのほど、緊急アンケート「新型コロナウイルス感染拡大による影響調査」の結果を発表した。
このアンケートは、4月7日に7都府県に緊急事態宣言が発令された直後の4月10日に、全グラの全国8単組(関東2単組、北海道、埼玉、北陸、東海、関西、九州)の組合員を対象に行ったもの。
組合員数164社のうち、電子メールの送受信が可能な150社へ質問票を送信した。
4月20日に受付を締め切り、この結果88社から回答を得た(回答率は58%)。
アンケートでは緊急事態宣言下の受注状況やその品目、コロナウイルスのビジネスへの影響などを聞いている。
況緊急事態宣言が発令直前の2020年3月末(もしくは4月1日時点)での受注状況は、「増加している」との回答は47社で、全回答社数88の53%を占めた。
増加率は、「20%以下」が38社(81%)、「21~50%」が6社(13%)だった。
また、品目別(複数回答)の増加ベスト3は以下の通り。
①麺類(ラーメン、乾麺、スパゲッティなど)
②パン類(食パン、菓子パンなど)
③レトルト類(カレー、冷凍食品など)
顧客別では、「新規顧客」「既存顧客」で「新型コロナウイルス感染拡大による需要が上回っている」と答えたのが、それぞれ12社、29社となり、既存顧客からの発注量が増加している。
品目の大分類では「食品」「雑貨など」「飲料」の順でした。巣ごもり消費や、感染予防のためのマスクや消毒、抗菌関連の軟包装資材需要が通常よりも膨らんでいたことが分かります。
一方、「減少している」との回答は26社で29%でした。減少率は、「20%以下」が20社(49%)、「21~50%以下」が5社(12%)。
減少のワースト3は、
①その他
②スナック(ポテトチップ、せんべい、つまみ類など)
③日用品(文具、衛生用品、トイレタリーなど)
だった。
減少理由では、「仕事が年々小ロット化してきたため」が15社、「残業・休日稼働を減らしたため」が13社で、上位を占めたが、3番手には、「新型コロナウイルス感染拡大による需要減」を9社が挙げている。
全グラでは「巣ごもり消費とは対極にある、インバウンド需要の激減、観光や旅行機会の喪失、休業・休学に伴う消費需要の減退が響いている」と分析する。
新型コロナウイルス感染拡大によるビジネスへの影響では、プラスの影響としては、
①「内食関連食品の増加」(58社)
②「感染予防による印刷立会が減少」(57社)※「印刷立会」は印刷機の稼働率低下の一因とされてきた
③「保存食(米、パスタ類、即席めんやレトルトなど)向け需要増」(50社)
④「コロナ感染による生産への影響を考慮しての仮需が出ている」(31社)
⑤「衛生用品(マスクや消毒薬など)向け需要増」(25社)
一方、マイナスの影響としては
①「インバウンドや国内観光客の減少による土産物等の食品や雑貨類の需要減」(48社)
②「外食(飲食店関連)の売上低下による業務用食品の減少」(39社)
③「イベント中止に伴う土産物やグッズ類の減少」(36社)
④「休校やテレワークの増加によるお弁当用の冷凍食品関連の減少」(19社)
と、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が如実に表れる形となった。
「緊急事態宣言発令の影響」では、仕事そのものが「減る」との答えが42社で、「増える」の29社を大きく上回っている。
2020年3月末の受注状況では、仕事量が増えていると回答した組合員が回答者の半数を超えたが、先行きに関しては「減る」と答えている。
新型コロナウイルス感染拡大による社内の措置では以下のような結果となった。
「配送の手配が難しくなる」(58社)
「納期短縮が一段と厳しくなる」(53社)
「資材入手が困難」(51社)
「会社経営が脅かされる」(39社)
「(忙しすぎて)働き方改革どころではなくなる」(35社)
「原油価格が下落しているので、その分の値引き要請が来る」(32社)
「受注をエサに、見積単価の引き下げを強要される」(13社)
「雇用確保が困難になりリストラが必要になる」(13社)
一方、「新型コロナウイルス特需を背景に、過剰品質の是正が可能になる」が15社、「新型コロナウイルス特需を背景に、(長らく適正値上げが認められてこなかった)価格修正が可能になる」が6社あった。
2020年(または年度)の受注見通し予測
「2020年(または年度)の受注見通し予測」では、「減少」が40社、「前年並み」が32社、「増加」が15社だった。
「減少」と回答した組合員に減少幅を訊ねると、
「20%以下」が26社
「21~50%」が12社
また、「増加」と回答した組合員に増加幅を訊ねると
「20%以下」が10社
「21~50%」が2社
「51~70%」も1社
最後に、景気回復の時期を予測にかんしては、
36社が「全く見通しが立たない」
「2021年春頃から」(17社)
「2021年の五輪から」(13社)
「2020年末から」(7社)
「2021年末から」(5社)
と続く。
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