プリント&プロモーション―デジタルプリントの専門サイト――

【開催中レポート】「サイン&ディスプレイショウ2023」 大判プリントの最新機種が集結

【2023年10月13日】「サイン&ディスプレイショウ2023」が10月12日、江東区有明の東京ビッグサイト南1ホールで開幕した。主催は東京屋外広告美術協同組合。
開催は14日(土)まで(午前10時~午後5時)。

「サイン&ディスプレイショウ」は、屋内外のサインやディスプレイを作成するための、大判インクジェットプリンタやメディア(用紙)、後加工機、サービス、技術などに関する総合展。
今回は「未来へつながるサイン、ディスプレイ」のテーマで、88社(300小間)が出展している。

プリント&プロモーションでは、大判のプリンタを中心に、出展製品などを速報でレポートする。

 

会場レポート

ミマキエンジニアリングは、同社の大判プリンタの最新機種などを展示した。
エコソルベントインクの「JV330-160」は、10月発売の最新のフラグシップモデル。
基本のCMYKに加え、白インクとクリアインクを標準搭載。乳白(半透明)や透明、下地色付きのシートにさまざまな表現でプリントに対応する。

こちらも10月発売の「UJV100-160Plus」では、壁紙素材へのプリントを実演し、3つの新機能を紹介している。
「インクセーブ」は、30%程度インク消費量を少なくしても、従来同等品質での出力が可能。「引き戻し印刷機能」では、従来2層だった出力構成を最大3層に向上。プリント職の順番も自由に変えられる。さらに「ユーザビリティの向上」を計り、かティングプロッタとの連携性も高めた。

UV硬化型プリンタの「UCJV330-160」では透明素材への透かしプリントや2.5Dプリントを披露。実演では2倍以上となった速度をアピールした。

フラットベッドタイプでは「JFX600-2513」を展示し、4✕8判(1219×2438mm)を1時間で11枚プリントできる性能を見せている。

また、今年6月ミラノで開催された繊維産業の世界的展示会「ITMA2023」で注目された昇華転写プリンタ「Tiger600-1800TS」も展示している。同機は従来機の3倍の速度があり、品質も向上している。

参考出品では11月発売予定のCFXシリーズの最新機種を展示している。

ミマキの隣接ブースではパイオテックが「PT-Jet」ブランドのDTF機を出品。
同ブランドではミマキの昇華転写プリンタ「TXF 160-75」を使用。シェイカー(接着剤をのせる)などは自社開発のものを活用している。
担当者は「国内メーカーのプリンタは安心感がある」というユーザーからの反応を教えてくれた。

また、武藤工業の「XPD-724」をプリンタとしたシステムも紹介している。

このほか、レーベルがミマキの「UCJV330-160」を展示している。

日本HPは9月に発売されたエントリーモデル「Latex630」でのデモンストレーションを行っている。
デモでは、昨日操作を覚えたばかりの同社社員がメディアロールの掛け替えを実現。作業開始からわずか1分30秒でロールの交換を終え、マージン(余白)10cmで即時プリントする様子を見せている。また、プリントヘッドも超小型で、ユーザーが自ら交換できる。
同機は、白インクを搭載しており、透明メディアへの出力を行うなど、幅広いアプリケーションへの対応をアピールしている。

ブースには38種類のサンプルを用意しており、来場者への配布も行っている。

エプソン販売は、今展示会で最大級の展示スペースを確保。
溶剤系のベストセラー「SC- S80650」では透明メディアをプリント。フラッシュなど強い光を当てると絵柄が現れる「フラッシュプリント」の製作事例を紹介している。

昇華転写プリンタの「SC- F9450」やガーメントプリンタの「SC- F2250」のコーナーでは、オリジナルグッズオーダーシステムをイメージした展示を行っている。

このほか、レジン系の「SC- R5050」、トップがフラットで作業スペースになる「SC- P8550D」なども出品している。

ブース正面ではセミナーも多数開催しており、多くの来場者を集めている。

キヤノンプロダクションプリンティングは単独では初の出展。
今年8月に発売した「ColoradoM5W」をデモンストレーションしている。
同機は白インクを搭載し、透明基材へのプリントが可能。また、最大出力速度が高品質モードで40㎡/時と非常に高速なことから、生産性の向上に貢献できる。
担当者は「北米非常に販売台数が伸びている」としており、今後日本でも採用を広げる構え。

ブースはカフェバーを意識した装飾で、壁紙からワインラベルまで「ColoradoM5W」で出力している。
同機は来週10月19日、20日に、パシフィコ横浜行われる「CanonExpo2023」でも展示される予定。

リコーのラテックスプリンタ「ProL5130e」は インクジェットヘッドは3つをスタガ配列し、一度に広い面積の出力が可能。標準モードで出力速度25m²/h。
また、インクの速乾性があり、エイジング(乾燥)時間が必要ない。環境対応では、水性ベースのため、VOCが極めて少なく、特別な換気を必要としないという特長もある。
サインはもちろん、水性の特色を生かし内装・壁紙にも活用されている。
このほか、テキスタイルプリントの小型機「Ri100」もデモを行っている。

セルカムは、各インクジェットプリンタ(IJP)メーカーの製品を比較展示している。
展示製品はローランドディー.ジー.のレジン系プリンタ「TrueVIS AP-640」、エプソンのレジン系「SC-R5050」、ミマキエンジニアリングのUV系「UCJV330-160」、HPのラテックス系「Latex X630」。
担当者は「見比べて、自社にあった製品を見極めてほしい。特にラテックスは日本で使用され自活用法も定着しつつあるので係員に聞いてほしい」」と呼び掛ける。
また、同社では新しいカタログの配布も行っており、今後内覧会も多数予定している。

東洋プリンターは、中国製のダイレクトテキスタイルプリンタ2機種を展示している。
「T1200」は、出力幅が1210㎜、出力速度は最大で80㎡/h。プリントヘッドはエプソン製で、のぼり2枚を同時に面付けできる。

「Y1200」は出力幅1210㎜と同じだが、出力速度を40㎡/hと抑え、高精細なプリントに対応。裏抜けすることなくシルクなどに両面プリントできる。
価格は日本製品に比べて半分程度。

「中国では各省、東南アジアではインドネシアやベトナムで採用事例があり、日本でもこれから販売していく」と担当者。
このほか、DTFプリンタも参考出品していた。

同社の内容は大野インクジェットプリントコンサルティングで大野さんがレポートしています。
大野インクジェットプリントコンサルティング【メモ】サイン&ディスプレイショウ 2023

エコスリーは、自社の大判プリンタで出力したレンズプリントを紹介している。同社プリンタはクリアインクの性能が優れており、これをレンズ上にプリントすることにより、2.5D的な効果を与えられる。

レザックはカッティングプロッタを紹介。
「S3 M-1200」は作業範囲が1330×1230mm、スピード重視の製品という。
また、ハイエンドではZUND社の「G3」を展示。作業範囲は1330×2500mm、最高速 60m/分。

日本製図器工業は「Kongsberg C edge」を実演。

大型ビジョン系も多数出展しているが、特に目立ったのはHYSONIC JAPAN
同社のムービングモジュールのキネティックは、ビジョンが可動し、現実の凹凸を使った表現と映像を組み合わせられる。来場者の多くがスマートフォンなどを構えて動画撮影をしていた。

 

Copyright © 2024 プリント&プロモーション . ALL Rights Reserved.