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矢野経済研究所 2020年度の「国内のデジタル印刷市場」の調査レポートを刊行 ほぼ横ばいの3,097億3,100万円(前年度比0.3%減)


【2022年4月7日】矢野経済研究所はこのほど、「国内のデジタル印刷市場」の調査レポートを刊行した。

このレポートでは同市場について次のように報告している。

2020年度の国内デジタル印刷市場は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛の影響により、フォトブック市場やオフィスコンビニ市場が大幅減少。それらを除くPOD(プリントオンデマンド)市場も販促需要が減少したことで市場規模が減少している。
一方、コロナ禍で実施された様々な経済対策やワクチン接種券などに関するアウトソーシング需要を取り込んだDPS(データプリントサービス)市場が拡大、その結果、2020年度のデジタル印刷市場(事業者売上高ベース)は3,097億3,100万円(前年度比0.3%減)とほぼ横ばいで推移し、コロナ禍でも市場規模を維持することができている。

2021年度は経済活動が再開される中で、POD市場が回復基調となっており、またDPS市場も拡大が見込まれるため、2021年度のデジタル印刷市場は3,214億6,000万円(前年度比3.8%増)と増加する見込み。

出版印刷のデジタル印刷市場では、重版時の少部数生産(=ショートラン)による在庫管理コストの削減を実現する提案。また、重版未定タイトルや絶版本、電子書籍との同時刊行本(新刊)を中心に注文に応じて1部から印刷、発送するBOD(ブックオンデマンド)の提案の2つの方向性で、デジタル印刷の活用が推進されている。
大手出版社を中心にデジタル印刷の活用が増えており、ネット書店のストア型PODも確立されつつある。その中で、印刷企業も提案を推進しているが、いくつかの課題が障壁となり、長年、市場は黎明期を脱していない。

その障壁の1つには、印刷コストの引き下げに進展が見られない現状がある。この中で印刷企業ではオフセット印刷による従来のビジネスモデルとの比較シミュレーションを行い、在庫管理コストを含めたトータルコストの削減という考え方を提示。しかし、在庫データを開示してもらえず、その効果を担保にするのが難しく、これまで思うように提案が進んでいなかった。

しかしここ1~2年、一部の印刷企業では取次・書店への過剰発注を防ぎ、返品率を下げることを目的とした出版社とのEDI(Electronic Data Interchange)連携が進展。この中で、在庫データを把握可能となり、コストダウン効果の提示が以前より容易となってきている。
一部の印刷企業においてショートランの実績が拡大しており、提案が進まない印刷企業との間で実績の差が広がり始めている。

将来展望では、本格的な経済回復が見込まれる2022年度は、POD市場が再び回復基調で推移。またDPS市場もワクチン接種券や消費喚起施策などのアウトソーシング需要を取り込み、更に拡大する見込みであることから、デジタル印刷市場は再び増加すると予測している。

 

調査要綱

調査期間: 2022年1月~3月
調査対象: 印刷企業、印刷関連サービス企業、及びその他関連企業
調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング調査、郵送アンケート調査併用
発刊日: 3月18日

矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/

 


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