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京セラが印刷業へ提案する新たな価値とは? 毎分150枚のデジタル印刷

【PR企画】京セラドキュメントソリューションズジャパンは今年2月、インクジェットプロダクションプリンター「TASKalfa Pro(タスクアルファ プロ) 15000c※」を国内市場向けに発売を開始した。同社はA4カット紙で「毎分150枚」という“業界未踏の領域”へ新製品の投入を実現した。これにより、同社は商業用高速インクジェット事業に本格参入した。

今回は、この新製品投入について、同社営業本部副本部長の谷口昌氏に話を聞いた。

新製品の特長
☆毎分150枚の高い生産性(A4カット紙)
☆1時間連続9,000枚の出力でダウンタイム削減
☆月間100万枚以上のジョブに対応可能

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枚葉機で“業界未踏の領域”を開拓する

当社は、「プリンター・複合機」と「ドキュメントソリューション事業」を展開してきました。今回参入した「商業印刷」をこれに加え、事業の柱を3つにし、お客様のトータルドキュメントソリューションパートナーの役割を果たそうと考えています。

商業印刷で伸びているデジタルプリンティングですが、当社ではインクジェット方式が、電子写真(EP)方式に比べて高速化が容易で、将来的には広幅対応や多色対応の可能性があると考えています。特にペーパーの取り回しが容易な枚葉型プリンターに「毎分150枚」という、商業用では”業界未踏の領域“を求め製品開発を進めました。

性能面でまず強調したいのは「高い生産性」です。
「毎分150枚」というスピードは、従来の枚葉デジタルプリンターの最大100枚/分を大きく超えたものです。実はこの速度、開発の基礎段階である4年前にはすでに実現していました。
また、1時間9,000枚をノンストップで印刷できるのに加えて、厚紙でも印刷速度を維持して印刷できます。


毎分150枚以上、1時間9,000枚をノンストップで印刷可能

また、ダウンタイムを最小限に抑えます。
たとえば、電子写真(EP)方式のプリンターは、短いスパンでキャリブレーションが必要でしたが、当社の製品ではこれがありません。また、色変化も少なく、オペレーターの手を煩わせません。
さらに、インクのサブタンクがあり、インク交換時にダウンタイムがありません。

「信頼性」の高さも、もう一つの特長です。
月間平均印刷枚数100万枚以上の業務に対応可能で、インクジェットヘッドは6,000万枚まで印刷できる高い耐久性があります。

 

多種多様な用紙対応、速度も維持

用紙対応も坪量で52gから最大360gとさまざまな厚みの紙にも、インクジェットヘッドと搬送ベルトの距離を調整する機能で対応しました。これにより、厚手の紙で箱などのパッケージやPOPも作成できます。さらに表面に細かな凹凸がある用紙にもきれいにプリントが可能です。これらの厚い、凹凸があるといった紙の場合、従来のデジタル印刷機は、減速することが一般的でしたが、「TASKalfa Pro 15000c」では、搬送スピードを落とすことなく生産できます。

また、大判POPの作成も、最大1,220㎜までの用紙に対応。
トナー方式と異なり、高い熱をかけないため、セロハンが使われている窓付きの封筒もプリント可能です。これにより、ダイレクトメールやチラシなどの販促印刷や、請求書等のトランザクション印刷、バリアブル印刷対応機能と併せて包括的に業務をサポートできます。


高速でも、凹凸のある紙でも、鮮やかな発色が特徴(左)、窓付き封筒もそのままプリント可能

搬送機構は、プリンター・複合機事業で培った技術をベースに、新たにエアピックシステムを採用し、さまざまな用紙を高速で搬送できます。万が一、紙が詰まった場合でも、機体内に残った紙を自動的に排出できます。紙が残った場合でも操作パネルに表示され、リムーブ(取り出し)の順番もLEDの点灯により指示されます。すべて機械前方が開く「フロントアプローチ」で、作業しやすく、メンテナンスしやすい機構にしています。


フロントアプローチ」でメンテナンスがしやすい

 

色味の維持性と安定性に自信

プロが使用するプリンターですから、印刷品質は可能な限り良くしたいという意識で開発してきました。解像度は600×600dpiですが、モードにより1,200dpi相当での出力も可能です 。
今回、独自の水性顔料インクを自社で開発しました。このインクは、高速印字に適しており、用紙表面にとどまり美しく発色し、耐光性や耐水性に優れ、にじみや裏写りも軽減します。
また、電子写真(EP)方式のようにテカリがないため、文字が読みやすいという特性もあります。
さらに大量に印刷した際も、最初から最後まで色味の変化が少ないことがこの新製品の特長です。


当然、採算性にもこだわりました。印刷物の状況にあわせインクの吐出量を調整できるため、インク量を抑えた経済的な印刷も可能。アプリケーションでコストカリキュレーター(計算機)も用意し、印刷物の内容からコストを事前に算出できます。


文字が読みやすく、冊子などの読み物でその力を発揮する

今のところ他社製品とのインラインの前後工程を用意していませんが、ノンストップオペレーションを目指しています。すでに印刷ワークフローについては、印刷工場内での、オフセットや高速連帳インクジェット印刷機などとの共用に関して、SCREENグラフィックソリューションズ社と日本アグフア・ゲバルト社の2社のソリューションと連携可能です。
このほか京セラグループが持つAIやIoTなどの技術も活用し、印刷の一元管理と自動化にも貢献していきたいです。

 

新たな価値をつくる!

「TASKalfa Pro 15000c」の開発コンセプトは、「徹底的なお客様視点による、商品価値とサービスの向上」。より使いやすく、役に立つ機能、よりよいサービスとは何かを追求しました。プロダクション印刷のプロに満足いただけるような、品質と仕様、そして信頼性を形にしています。商業印刷の業務を効率化し、ビジネスの可能性の拡大に貢献します。

現在、印刷業界においても「働き方改革」が推進されており、経営者は短時間労働を目指し、業務の効率化を求めています。また、職人仕事のできるベテランのオペレーターが定年退職し、その穴を埋められないという現象が起きていることも聞いています。
細かな色合わせや版の調整など、これまでプロが手掛けていた仕事をこの「TASKalfa Pro 15000c」が肩代わりし、印刷業界に貢献していきたいと考えています。

そして、ますます多様化するニーズに対応するために、お客様それぞれの課題に合わせて、「TASKalfa Pro 15000c」に加え、ワークフローソリューションを含めた総合的な提案を通してビジネスの可能性を最大限に引き出し、新たな価値づくりのお手伝いをしていきたいと考えています。

 

取材を終えて

商業印刷では、いまだにインクジェット印刷機の導入は少ない。従来製品は高価な大型の連帳機で、少量印刷を目指したデジタル印刷の方向性とは少し違った性能を持っていた。また、EP方式は性能が成熟しており、これ以上の機能向上が望めないという課題があった。
「TASKalfa Pro 15000c」は、これらの課題に一つの答えを用意したといえるものだ。
「枚葉インクジェット」「A4毎分150枚」「連続9,000枚/時」という性能と京セラグループの総合力が、商業印刷に新たなビジネスをもたらすことを期待したい。

取材:プリント&プロモーション 中村

 

※ TASKalfa Pro(タスクアルファ プロ)という名称は、次世代のドキュメントワークのために、オフィスで使用される文書に関わる、すべての業務(タスク)を効率化するために、いちばん(アルファ)役に立つ複合機である事を意味している。さらに“Pro“は「プロフェッショナル」が「プロダクション」で使用するという意味。

 

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