■保全池の具体的な整備内容
・保全池の水温を1年間調査し、保全生物が生息に適しているかを検証
保全池の各エリアにて、水温を1年間計測し、保全対象種の生息に適しているかを事前に検証しています。
・保全池を4つに区分し、エリアごとで環境を整備
朝霞工場の保全池を水温によって4つのエリアに区分。河川の上流に生息する生物から下流に生息する生物まで、幅広く保全できるよう、水温や水流の強さを考慮して水辺環境を整備しています。
・絶滅が危惧されるホトケドジョウやミナミメダカを保全
絶滅が危惧される生物を保全対象として、埼玉県生態系保護協会の指導の下、保全すべき生物を選定し、野生での絶滅の危険性が高いホトケドジョウや、ミナミメダカを水槽にて増殖後、保全池で生育します。
■保全池の概要
所在地: 朝霞工場敷地内(埼玉県新座市)
敷地面積: 70㎡
保全対象種: ホトケドジョウ、ミナミメダカ
水源: 地下水
■ 今後の目標
朝霞工場においては、埼玉県生態系協会の監修のもと、保全する生物の種類の追加や、希少生物の繁殖をさせ、近隣にある本来の生息地に戻すなど、さらなる取り組みを進めます。
凸版印刷は、今後も各工場において、生態系保護を目的とする第三者の監修のもと、地域社会への貢献として、生物多様性の保全に配慮した事業活動を推進していきます。
■凸版印刷の生物多様性保全に関するこれまでの取り組み
群馬センター工場(所在地:群馬県明和町)では、工場の敷地全体に高木で約500本、中木で約2,000本、低木で約5,000本を植樹することで、30%以上の緑地率を確保するなど、環境に配慮した工場の運営を進め、2013年4月に「緑の保全・創出により社会・環境に貢献する開発事業(都市開発版SEGES)(※1)」の認定を受けています。
深谷工場(所在地:埼玉県深谷市)では、敷地全体の約4分の1に相当する4万2,000㎡に及ぶ緑地において、鳥類の食物となる花や実のなる植物や巣箱の設置、水辺に水生植物を配置するなど、生物多様性に配慮しています。さらに、従業員とその家族を対象とした環境教育プログラムを通じ、生物多様性保全活動を実施。これらの緑化や地域の生態系保全、従業員向けの環境教育プログラムなどが評価され、2015年2月に生物多様性に配慮した施設を認証する「いきもの共生事業所®認証(ABINC認証)(※2)」を取得しています。
※1 緑の保全・創出により社会・環境に貢献する開発事業(都市開発版SEGES)
SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)は、財団法人 都市緑化機構が貢献度の高い優れた緑を評価認定する、いわば「緑の認定」です。SEGESでは、企業などが積極的に保全・維持・活用に取り組む優良な緑地を認定しています。「都市緑化版」SEGESは、都市開発での緑地創生計画を評価し、緑の保全・創出により社会・環境に貢献する開発事業を評価認定するもので、既存の緑地を良好に維持管理する「そだてる緑」に対し、「つくる緑」と呼ばれています。
※2 いきもの共生事業所®認証
一般社団法人 いきもの共生事業推進協議会(ABINC)が、生物多様性保全に取り組む工場、オフィスビル、商業施設や集合住宅などに対して、一般社団法人 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)の「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」および「土地利用通信簿®」を認証基準として、生物多様性に配慮した緑地づくりや管理・利用などの下記項目について、第三者評価・認証するものです。