【2017年2月11日】凸版印刷は2月中旬から、新開発のオフセット印刷で紙幣に真贋判定機能を付与する高セキュリティインキを発売する。
従来、真贋判定用のインキは凹版印刷を利用するのが一般的だったが、オフセット印刷でできることから、工程の短縮やコストダウンに役立つ。
同製品は、紙幣印刷用のインキに少量加えるだけで、色や印刷適性に影響を与えることなく、近赤外線光源による真贋判定を可能にした高セキュリティインキ。
近赤外線は、可視光線に近い特性を持つ電磁波で「見えない光」として、赤外線カメラや赤外線通信、家電用のリモコンなどに使われている。
通常のインキで印刷された絵柄は、近赤外線光源下では視認できないのに対し、同製品を混合したインキで印刷された絵柄は近赤外光源下で視認できる。
このため、紙幣処理機やATM、紙幣検知器に搭載された赤外線センサーで読み取ることで、簡単に真贋を見極められる。
さらにこのインキは高い耐久性もあることから、さまざまな場所で長く使用される紙幣などの用途に向いている。
また、オフセット印刷は、従来使用されていた凹版印刷に比べインキ使用料が5分の1以下に抑えられる。
なお、同製品は日本での発売に先行し、2月5日にメキシコ銀行が発行した、メキシコ立憲100周年記念紙幣のセキュリティ技術として採用されている。
さらに今後、来年以降に順次発行する新シリーズのメキシコペソ紙幣で、同製品によるセキュリティが採用される。
凸版印刷では同製品を、国内外の中央銀行や紙幣印刷会社へと拡販。2020 年までに5カ国程度での採用を目指す。
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