【2024年4月26日】キヤノンと京都文化協会は、「綴プロジェクト(文化財未来継承プロジェクト)」の第15期作品として、尾形光琳「松島図屏風」( 米国・ボストン美術館所蔵)の高精細複製品を、京都市立芸術大学へ寄贈する。
寄贈作品は、同大学内の一般開放エリアにて展示される。
「松島図屏風」高精細複製品 All photographs ©2024 Museum of Fine Arts, Boston. Reproduced with permission
尾形光琳は、江戸時代中期に活躍し、琳派の大成者としても知られる。江戸時代初期に活躍した琳派の祖、俵屋宗達に深く傾倒し、宗達に倣った作品をいくつか残している。
本図も宗達筆「松島図屛風」の右隻をもとに描かれたもので、光琳独自の解釈が加わり、波の動きなど一層ダイナミックな表現が見られる。
この屏風は、米国の美術研究家であるアーネスト・フェノロサが日本を訪れた際に購入したもので、1911年からボストン美術館に所蔵されている。
制作では、キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」でオリジナルの文化財を撮影。独自開発のカラーマッチングシステムを用いた画像処理を行った上で、12色の顔料インクを搭載した大判インクジェットプリンタで出力した。
さらに、京都の伝統工芸士が金箔などを用いた装飾を施し、屏風に仕立てることで、オリジナルの文化財を限りなく忠実に再現している。
「綴プロジェクト」は、京都文化協会とキヤノンが2007年より共同で推進している文化支援活動。
日本古来の貴重な文化財には、歴史の中で海外に渡った作品や国宝として大切に保管されている作品など、鑑賞の機会が限られているものが多い。
このため同プロジェクトでは、オリジナルの文化財を忠実に再現した高精細複製品を制作。これまでに、葛飾北斎や俵屋宗達、尾形光琳の作品など、全61作品の高精細複製品を再現し、寄贈している。
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