【2024年1月30日】日本フォーム印刷工業連合会(フォーム工連)は1月25日、文京区のホテル椿山荘東京で「2024年新春講演会・懇親会」を開催した。
「第1部講演会」は、午後4時から行なわれ、竹内葉氏(サイエンス作家・理学博士)が「『未来に勝ち残る企業になるために』〜A時代を生き抜くための『仮設脳』〜」のテーマで講演した。
講演会はオンライン配信も行われ、全国で多くの会員がこれを視聴した。
講演の概要は以下の通り。
ガリレオは地動説も大陸移動説も、ブラックホールも、地球温暖化もすべて仮説だった。
また、科学的な予測は8割外れるのだが、仮説思考は必要だ。
日本は150年間同じ、プロイセンから輸入した暗記型の教育を行ってきた。
海外はすでに異なり、カナダのバンクーバーの中学校は探求型の授業をしており、知識を詰め込まない。
「あること」を調べ、議論して、その内容を考え、どうやって調べるかをまた考えるという、生徒や学生が考える授業になっている。
カナダの教育は「AIが発達した今、暗記型スキルはAIが代替し、これからは探求型になるはず」という仮説で授業が行われ始めているのだ。
デジタルネイティブの世代が社会に出たときは、考え方そのものが変わってくるのではないだろうか。
「AI」は、自動車やレジなどさまざまな分野に進出し始めている。私が行ってきた外国語の翻訳も「翻訳AI」の登場で変わる。
今まで、私の妹が500ページを約3カ月かかって下訳(下書き)してきたが、AIに任せれば、3分で終了し、この料金が5冊まで1200円だ。もはや人間が対抗する余地がない。
ここで考えられるのは、翻訳出版が必要なくなる日が来ることで、私の仕事の翻訳出版がなくなるだろうということだ。
ではAIの登場によってどのような仕事が残るかというと、人間の心にかかわる仕事、クリエイティブな仕事は残るだろう。
「第2部 懇親会は午後6時から、同書で行われ、140人以上が参加した。
冒頭、小谷敬二会長は以下のようにあいさつした。
小谷会長挨拶
「最初に1日に起った能登半島地震でお亡くなりなられた方のご冥福を心からお祈りするとともに、被災された方にお見舞いを申し上げ、1日も早い復旧・復興をお祈り申し上げる。また翌日の日航機と海上保安庁の接触事故で亡くなられた方にも心からお悔やみ申し上げる。
今年は辰年。竜吟虎嘯という言葉があるが、これは竜が鳴いて、虎が吠えるということ。ケンカをしているのではなく、竜が鳴くと雲ができ、虎が吠えると風が吹き、嵐が起こるということだ。つまり強いもの同士が意思疎通して、大きな敵と戦っていくという意味。
フォーム工連にもさまざまな課題がある。原料費の高騰や人件費の高騰があり、これを適正に価格転嫁をしなければならない。また新しい分野へのチャレンジも必要で、公正な競争によるコンプライアンス順守ということが挙げられる。これを竜吟虎嘯して立ち向かっていかなければならない」
このほか、来賓のあいさつがあり、乾杯の発声は日本印刷産業機械工業会相談役の宮腰巖氏が「竜のように天に向かって力強くかける1年にしていきたいので、高々と杯を掲げよう」と述べ、乾杯し開宴。和やかな歓談が約1時間半行なわれた
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