【2021年2月25日】「TOKYO PACK 2021 東京国際包装展」が今日2月24日から26日(金)まで、東京ビッグサイトで開幕した。
プリント&プロモーションでは、速報レポート①に続き、「紙への回帰」「段ボールの無地化」「省人・無人化」などが目立った会場をレポートする。
【速報レポート①】「TOKYO PACK 2021 東京国際包装展」包材・サービス編 紙への回帰強まる
SCREEN GP ジャパン/SCREENグラフィックソリューションズ(W3-05)は、パッケージ関連のデジタルプリントやそれに付随するサービスを紹介している。
「Proof Jet F780 MARKII」は本紙校正用インクジェットプリンタで、印刷前に実際に使用するフィルムなどにプリントし、色味やデザインを確かめられる。
このほか、軟包装向け水性インクジェット印刷機「Truepress PAC 830F」のサンプル展示や、「True press Jet L350UV」によるラベルサンプルの配布も行っている。
「ブランドオーナーによるデジタル化も始まっており、ラベル納期が3分の1になったというユーザーもある」と担当者。
SCREENクリエイティブコミュニケーションズ(W3-21)は「警告ラベル.com」の「食品包装・機械」向けラベルについて紹介している。
同社は「警告ラベル」とそれに関する「マニュアル」などの専門企業。
担当者は「警告ラベルとそのマニュアルには、国際的な基準があり、これを運用するノウハウが必要で、設計段階からこれを一体で考えて製造しなくてはならない。しかし、実現できている企業は少なく、使用情報に欠陥がある企業が8割を占めている。当社ではこれを改善するノウハウを提供している」と話す。
紀州技研工業(W2-01)は、新型の「プリントドライヤー」(特許出願中)を参考出品。ヘッドの与圧を使用し温風を吹き付けることで、1秒かかっていた乾燥時間を0.5秒まで短縮した。
特にフィルム素材などインクが固着しづらいアプリケーションで有効で、参考出品だが、すでに引き合いがあるという。
また、「無地段ボールへのプリント装置」をデモンストレーション。導入企業は段ボールの在庫を持たなくて済むため、倉庫スペースが不要になる。
また、高価だったラベルを内製化でき、貼付作業の人員や時間を削減可能。
担当者は「当社は、インクジェットユニットをメインで扱うが、搬送や制御部分も一体で提案でき、ワンストップでシステムを納入でき、重宝がられている」と話す。
ブラザーインダストリアルプリンティング(W1-40)は、ブラザー子会社であるドミノの製品プリンタと検査装置を紹介。実演では段ボールへのプリントと検査を再現している。
「欧米では、段ボールの無地化が進んでいる。少量の商品の場合、これまで段ボールにラベルを張るケースが多かったが、ラベルの管理や、貼付の際の中身との紐づけに手間がかかることから、無地段ボールへ直接プリントするケースが増えている。また、これによる大幅にコストダウンし、廃棄物も減る」と担当者。
山崎産業(W1-36)は、スタンプの代わりとなるハンディプリンター「MOBILE JET」シリーズを出品している。
「MOBILE JET MINI」は、プリントしたいものをなぞるだけで、必要な文字やマークを出力できる。1000個のデータ登録が可能で、速乾インクを用意しており、紙はもちろん、フィルムなどへの印字にも対応する。
「MOBILE JET MINI CUBE」は、押し当てるだけで、内部のヘッドが移動し文字やマークを印字できる。幅9mmの印字で25770回(コスト0.48円)使用可能。
このほか、クラフト袋印字装置など多数の製品を展示している。
沖データ(W3-20)は「MICROLINE VINCI」シリーズを使ったデザインサンプルの内製化の事例を紹介している。
赤城乳業では「ガリガリ君」の1週間かかっていたサンプル制作時間が30分に短縮され、商品開発の時間が大幅に削減されたという。
また、卓上ラベルプリンタで白トナーを搭載した「Pro1050」を展示。白色の高い隠蔽性や結露耐性のあるアプリケーションへプリントできることなど評価され、飲料メーカーやクラフトビール工房などで採用されている。
同ブースでは、リンテックが共同出品しており、プラスチック代替ラベル「PLARESS」や、低温環境対応ラベル素材「Livasta」などを紹介している。
レザック(W2-14)は自社の包装用機器を展示している。
カッティングプロッタ「HSW-1000」では、打ち抜き加工で使用する木型用ゴムとCAD面板をカット可能で、内製化できる。
また、打ち抜き後に使用しない部分を取り除くむしりの作業を自動化する「分離機」も実演している。価格は約3000万円。
「担当者は無視るの作業は4、5人が手作業で行うことが多く、これを省力化できる」。
日本テクノロジーソリューション(W4-31)は、本社との生中継を行い、シュリンク装置「TORNADO」や自動シュリンク挿入装置「SPIRAL」などを紹介している。
生中継では、実際のシュリンクやラベルの装着の様子を同社の担当者が案内する。また、会場から顧客候補を結び、本社との3元中継で商品を紹介するなど、オンラインを活用した展示がユニークだった。
岡田耕治社長は「この中継によるデモは、普段の営業でも活用しています。新型コロナウイルスによって、互いに移動しづらい状況にあるため、オンラインでもよいという認識ができたことから活用が進みました」と話す。
セルカム(W4-24)は、自社開発のカッティングプロッタ「shaVE」を展示した。
段ボールに特化し、機能を絞ったカッティングプロッタで、本体価格は約500万円と安価に少量の段ボール加工を自動化できる。
同社は商社としてZUNDなどの高品質プロッタを日本で販売しているが、「エントリーモデルのラインアップが必要と考えていた」という。
また「POSTMARK CP1170+フィーダー」は、段ボール用のプリンタ。カラープリントが可能で、少量の段ボールプリントでも、デザイン性の高い包装が可能になる。
本体価格は約500万円。
エプソン販売(W4-06)はラベルプリンタとラベル用のカッティングプロッタを実演している。
ラベルプリンタ「CW-C6520」は、8インチ幅のスタンダードモデル。ロール紙をフルカラープリントでき、少量の生産に対応する。
また、プリントしたラベルをグラフテックの「CE7000-40plus」でカットしていた。
担当者は「季節やイベント限定のラベルなどで重宝されている。導入企業では内製化し、納期やコストを削減したケースもある」としている。
富士フイルムグローバルグラフィックサービス/FFGSグラフィックサプライ(W3-14)は、今春発売の軟包装用のデジタル印刷機「Jet Press 750 WV」を動画とサンプルで製品を紹介している。
最大印刷幅がは従来の541mmから752mmに拡大。これにより米袋や、ペットフードの包装など、に対応できる。また、小サイズの多面付けも可能になるため、生産効率向上も期待できる。
日立産機システム(W3-17)は、レーザーマーカ「LM-C301」シリーズデモ。比較的簡単な操作で運用できることから、食品や日用品など、さまざまな商品の日付やロット番号のプリントに採用されている。
ACS(W3-18)のカッティングプロッタ「ASX」は厚手の発泡スチロールをカット実演。傾斜カットが可能というユニークな製品で、断面を斜めに設定できる。
日本製図器工業(W3-12)は、省力化を目的とした「段ボールのロボット搬送機」を展示している。
デモンストレーションでは複数枚の段ボールを持ち上げ、プリンタに供給している。
エスコグラフィックス(W4-09)は「Kongsberg」をサンプル展示。4月からKongsbergが別会社となるため、エスコブースでの出展は今回がし顎になる。
TOKYO PACK 2021
https://www.tokyo-pack.jp/
【速報レポート①】「TOKYO PACK 2021 東京国際包装展」包材・サービス編 紙への回帰強まる
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