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全国グラビア組合連合会 「第48回通常総会」を開催 過剰品質や下請けの不合理改善訴える

【2018年6月22日】全国グラビア組合連合会(全グラ)は6月21日、東京都千代田区のホテルニューオータニで「第48回通常総会」を開催した。

全国グラビア総会2018

総会は8単組の21名中、出席20名、委任状1名で、総会の成立を宣言し、審議に移った。

第1号議案「平成29年度事業報告書及び決算関係書類承認の件」では、「コンバーティングの明日を考える会のセミナー」「フィルムの品質に関わるワーキンググループ」「グラビア基礎講座」などの活動を報告。決算報告と監査報告を行い、これを承認した。

第2号議案「平成30年度事業計画、収支予算並びに経費の賦課及び徴収方法決定の件」では、「品質判定ガイドライン」の理解・周知や、新たに追加された「外国人技能実習生制度」、また「収支予算案」について提案を行い、賛成多数で承認された。

最後に、第3号議案「平成30年度借入金残高の最高限度決定の件」を承認し、すべての議案審議を終了した。

 

田口会長あいさつ

組合の活動報告は、お配りした“事業報告”に詳しく記してありますので、本日は、今、特に喫緊のお話を申し上げたいと存じます。

全国グラビア総会2018

ご承知の如く、フィルム、インキ、溶剤、接着剤といった、主原料が高騰して居ります。しかしながら、長引くデフレの中、大手流通が安値によって売上げを維持し、そのつけを私共の顧客である中身メーカーに回し、結果的に私共も値上げができにくい構造となっています。
最近10年程、15回もの原材料値上げがありましたが、私共の製品値上げに転嫁できたのは、5回だけです。5勝10敗です。まず、この事を念頭に置いて頂きたい。

 

危機意識が必要

次に、私共の営業マン各位は、デフレの中に育ち、値上げは悪、値下げは善という感覚を、自然に植えつけられています。国家のあり方も、1,000兆円以上国債を出し、次世代につけを回し、先の事は考えず、その場しのぎの政策は、国民の信を失いつつあります。

自らの周囲をよく見回し、そして将来を考え、必要なことはお客様といえども、正直にはっきりと申し上げねば、自分の大切な使命が果たせないと自覚すべきです。営業マンだけではありません。経営者も、5勝10敗の責任を深く考えるべきです。プロなら責任をもって将来も含めて供給責任を果たすことを第一に考えるべきです。

先月、某大企業のトップと話をした時、「我が社もこのままではつぶれる」と、意外なことを言われました。日本のトップ企業が「つぶれる」という言葉を、口にしたのです。「上に立つ者が、真剣に顧客に訴えかければ、聞き届けて下さるものだ。もう一押し、もう一押しで今頑張っている。全グラさんも頼む」というお話でした。正にこの通り、今経営者は、陣頭に立ちつつ、斬り込み隊長を引き受けてください。

その昔、織田信長が10倍以上の今川軍を打ち破った時、信長は真っ先に駆けて、勝機を作ったのです。
このように申しますと、「いまだに安売りがいて 」等の弱音を言う人がいますが、なぜ安く売れるのか。そして、それが続けられるのか?どこかで手を抜かねば、安くはできません。人件費、品質管理、品質保証費、衛生管理費、設備の補修、更新の費用、教育費、そして20を超える国や地方の法や条例を守るためのコスト。これらを考えずに見積もりをする会社と、同列で価格のみで比較されているのではありませんか?その辺りをよく考えていただきたい。

 

組合への参加を

そして、 私共の組合に入らず、アウトサイダーとしてやっておられる方々、業界誌や組合からの情報発信も全く無縁になっておられるとしたら、恐ろしい事です。正に、日光東照宮の猿「見ざる聞かざる言わざる」となってしまうでしょう。
組合費がもったいないとおっしゃる方がおられます。それより、情報がない将来展望に目をつぶって仕事をする方が、お金が流出してしまうことに気付いて頂きたい。

全国グラビア総会2018

埼玉県で去年と今年と続いて、2社の経営者の失踪事件がありました。先に申し上げた目をつぶって経営をしてきた方々です。安いだけの会社に仕事を出して来たお会社は、その時、大変ご損をなさったと聞いています。

組合は、会費を払っても何倍もおつりがくる程のメリットがあります。「値上げの役に立たない」と言う方々は、世の中がまったく分かっていないと申し上げたい。組合をもっと利用すれば、色々なものが見えてくるでしょう。つまり、将来も見えてくるし、今の自分の商売のやり方、原価計算を含めて、会社経営のあり方も、自然に学ぶことができるのです。

社員の労働環境も整備し、新人募集もしたい。古い機械を更新して、時短を実行したい,VOC処理や省エネ設備をしたい。すべて未来投資は、今、販売価格にかかっています。

 

仕事に見合った価格を

私共の業界は、残業で成り立ってきましたが、働き方改革で残業が減っています。残業が減っても身入りが減らない”ワークライフバランズをとるには、値段を上げなければできない。

これ以外に、社員の生活の安定·向上はあり得ないのです。今の人達は、値上げの経験が乏しく、自社の主張を顧客に理解して頂いて、思い切って値上げに打って出る勇気も少ないように思います。全員で組合員を増やし、もっと良い業界にしていく運動を展開しましょう。

これまでも、過剰品質問題や食品包装容器についての法律、公正取引についても数々の提言を国をはじめ関係先に発信して来ました。それでも尚、私達は、自助努力を越えた課題解決についての要望書を作って、関係各位の方々に訴えます。できるだけ多くの方々にご理解を頂くつもりです。組合活動を通じて、危機を脱出できるよう、皆様のご理解、ご協力を切にお願い致します。

 

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