【2017年9月29日】普段目にするPETボトル。軽くて、丈夫で、ふたを開けてもまた閉められる便利さで、日本の清涼飲料の6割以上がPETボトル容器に入れられている。
確かに便利なPETボトルだが、これに足りないものを補った新製品を大日本印刷(DNP)が開発した。
「DNP機能性フィルム複合型PETボトル Complex Bottle(コンプレックスボトル)」は、これまでにない遮光性やバリア性を付与した製品。
実は日本国内のPETボトルは、ガイドラインによりPETボトル本体への着色が認められていない。このため、酒類など中身の変質防止に遮光性が求められる飲料での採用は難しかったのだ。
「コンプレックスボトル」はこの課題に対して対応したもので、透明なPETボトルに光を防ぐ着色フィルムを被せて一体成形し、ボトル底まで覆っている。
これにより、遮光性や酸素バリア性など、従来は実現できなかったレベルの機能性を備えている。
表面に印刷によるデザインも可能で、これが光沢を抑えた黒とともに渋くて非常にかっこいい。
飲み終わった後は、外側の着色フィルムをはがすことで透明なPETボトルになるため、国内のリサイクルガイドラインにも適合しているという。
そして、この「コンプレックスボトル」が、圧力生酒コンソーシアム(代表・新潟薬科大学)の生酒「AWANAMA」で採用された。
圧力生酒コンソーシアムは、高圧技術の活用によって、生酒など火入れ(加熱処理)しない日本酒の生酒の常温流通を可能とすることに取り組んでおり、PETボトルが持つ柔軟性や伸縮性といった、ガラスビンでは実現できない特徴が評価され、採用となったという。
大日本印刷では今後、コンプレックスボトルの販売を強化し、2020年度に年間10億円の売上を目指す。
なお、圧力生酒コンソーシアムは、コンプレックスボトルを利用した生酒「AWANAMA」を、10月4日(水)~6日(金)に東京ビッグサイトで開催される「アグリビジネス創出フェア」の新潟薬科大学ブースで出品する。
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