【2017年3月10日】「2017地域連携事業検討シンポジウム[東京]注目!地域ブランド戦略最前線 ~日本の地域おこしをリードする印刷産業~」が3月6日、東京都中央区新富の日本印刷会館で開催された。主催は日本印刷産業連合会(日印産連)価値創出委員会。
「地域連携とブランディング事例発表」では、各地域で地域ブランディングを行っている印刷会社が登壇し報告した。
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「井の頭公園100年の地域連携と情報発信」
文伸 代表取締役社長 川井信良氏
当社は出版を中心とした印刷会社、自社で編集ができるという特性を生かし、近隣にある「井之頭公園」を中心とした地域の情報発信を行っている。
まず当時5年後に控えていた同公園の100周年を想像し「井之頭公園*まるごとガイドブック」を作成。同公園に対する理解が深まり魅力を再確認できた。
ここからフリーペーパー「いのきちさん」や検定本「いのけん」を出版。地域では「ただの印刷工場ではないな」「地域のことを考えている会社だな」と見られはじめ、自社のブランド価値が向上した。
また「井の頭公園」といえば「文伸に聞けばいい」「相談に乗ってくれそう」という認識もできた。
この後、井の頭公園100周年記念として「井の頭公園100年写真集」「井の頭公園いきもの図鑑」などを出版し、さらに同公園を中心とした情報の受発信の拠点となっている。
今、印刷会社に求められているのは以下のようなことではないか。
・好奇心や想像力を失なわない
・プロデュース力とディレクター役
・情報収集と発信力
「秋田米作農家との連携による高付加価値流通事業の展開」
秋田印刷製本 代表取締役社長 大門一平氏
当社はビジネスフォーム印刷で業績拡大したが、平成18年の市町村大合併により、秋田県内の自治体は69から25に減ってしまった。この影響で一気に売り上げが1億円も減少した。
そんな困っているときに農家から「コメを買ってくれ」との話が合った。会社からは反対されたが、面白いと思い、コメの販売に着手した。
当時、魚沼産のブランド米コシヒカリは4㎏で5000円。それに比べてあきたこまちは5kgでも1850円だった。
その時に「ブランドとは何だろう?」と考え始め、コメの販売の仕方をさまざまに考案した。
そこで最初にチャレンジしたのが「真空パッケージ」と「筒型パッケージ」のお米。冷蔵庫で保管することを目的に考案したもので、実用新案と意匠登録をしている、
さらに「農商工等連携事業計画認定」に申請。申請窓口では冷たくされたが、審査員からは「加工しなくてもパッケージで差別化図れる」と大好評を得た。従来の申請産品は「加工」したものばかりで、みな農産品を加工して出さなければならないと思っていたという。
活動により、現在の提携先は41社まで増えた。
お米だけでなくお米に会う食材や、お酒なども取り扱っている。また、米粉を使ったおいしいケーキも好評。コメと何かを組み合わせて販売するという方法も手に入れた。
ただ、これら商品の販路拡大にはWebの活用が必要だが、特に地方ではWEB技術者が足りないという課題がある。
これまで常設の売り場がないことが悩みだったが、現在アンテナショップを計画している。
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