【2016年12月28日】小売店舗の店頭には多くの販促ツールがある。
チラシやポスター、POP、什器などその種類は多く、ある意味販促物で溢れているのが、今の売り場。
しかし、販促ツールなどを作成・発注・管理する場合には、チラシ、POP、什器などをそれぞれの会社に、メールや電話、FAXで注文しているケースが非常に多い。この場合、全体の進行などを管理しづらく、デザインデータもそれぞれの制作物に対して何度もやり取りしなければならなかった。
中には、1社にまとめて発注し、そこから各社に発注するというパターンもあるだろうが、それも発注先の会社では同じように複雑なオペレーションが行われている。
そして、作った販促物すべて活用されているかというと、そうでもないようだ。
さまざまな事情で、本部やメーカーから送られてきた販促物が使われず、そのまま捨てられてしまっているという状況がある。こういった課題を解決しようというクラウドサービスが立ち上がった。
それが販促ツールの発注から納品までをクラウド上で一元管理することができる「SPinno(スピーノ)」だ。
もともと販促物の制作をメインに行っていた会社が、クライアントの要望を受けて開発されたシステムだ。このシステムは、販促業務のプロセスを完全クラウド化したプロモーション活動のためのクラウドプラットフォームになっている。販促業務をクラウド上で「見える化」し、進捗をリアルタイムで把握できる。
上述したように、店舗ではせっかく作った販促ツールが使われないことが意外に多い。
特に多店舗展開している小売業などでは、本部で発注した販促ツールが「サイズが合わない」「置く場所がない」「お客様に響かない」といった理由で活用されていないケースが多々あるのだ。「使われない」という問題を解消するため、メーカーの営業担当者が、それぞれの売り場に合わせて販促物を発注すると言ったケースもあるが、その運用面での煩雑さは想像に難くない。いずれの場合も、コスト高や時間のロスが出て、業務の複雑・煩雑化が問題となる。
こういった課題もクラウド上で管理すれば、無駄がなく、必要な分だけツールの作成ができる。作業の煩雑さが解消される上、データの共有も可能。いいデザインの販促物は、店舗間・営業所間で共有でき、販促レベルの底上げにつながるという。
ここまで便利だと、このサービスがSPinnoの「囲い込み作戦」ではないかと思えたので、率直に質問をぶつけた。
SPinno執行役員最高マーケティング責任者の十河貴行氏は「当社のクラウドサービスは、あくまでも“場の提供”であって、囲い込みではありません。クライアントと協力会社、当社をフラットに結ぶ場を作ることが目的です」と説明する。
同サービスでは、これまで縦の流れで、お互いの活動が見えなかったクライアントとデザイナー、印刷会社などの協力会社が、スムーズに連携できるようになる。
気になる利用料金は「初期導入なし、基本料金+ID課金」。
現在、クライアント数十社が契約しており、こういった販促業務支援のクラウドプラットフォームとしては国内ナンバーワンの導入社数という。
販促物制作企業がつくったクラウドシステム、将来的には同社事業のもう一つの柱としていく構えだ。SPinnoの提供する新たな販促ツール開発の “場”づくりに期待したい。
SPinno
http://www.spinno.co.jp/
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