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グーフ「緊急企画 goof.Salon WEB3.0×PRINT TECHの未来予測」を開催 「drupa」参加の4氏が報告

【2024年7月2日】グーフは6月28日、東京都品川区のグーフセミナールームで、セミナー「緊急企画 goof.Salon WEB3.0×PRINT TECHの未来予測」を開催した。

goof.Salon(グーフサロン)は普段はクローズド(非公開)で行われているが、今回は多くのゲストを招きオープンイベントして開催。さまざまな立場からの評価や考察を交換する場となった。
セミナーでは、8年振りに開催された世界最大の印刷機材展「drupa」に参加したgoof.Salonのメンバー・パートナーが、印刷関連機器や周辺ソフトウェアなどを中心に情報を発信し、意見交換がなされた。

登壇者は、山下潤一郎氏(ブライター・レイター)、林誠英氏(錦明印刷)、吉原洋平太氏(研文社)、岡本幸憲氏(グーフ)の4氏で、約30人が来場した。

 

レポート

冒頭、岡本氏が「goof.Salonは、若い人に参加してもらい鯛と思って始めたもの。いつもはクローズドななかで言いたいことを言っているが、今日もいつものグーフの雰囲気を味わっていただければと思う」と話しセミナーを開始した。

岡本氏は続けて「インクジェットの能力と割り切りが世界のプレイヤーに浸透したか?ということが気になりつつ行った。結果としてはdrupaの中で、しっかりとお金のにおいがし始めたと思う」
「drupaと合わせて、2社ほどオランダの印刷会社を回って感じたのは、工場内に人がいないということ。無人化が進んでおり、工場内にはベルトコンベアがあり、人は動かず仕事を待っている。動くのは印刷物で、人間はそれほど考えることなく仕事をこなしている。少ない人数にもかかわらず、欧州内で圧倒的なシェアを取り、しっかり利益を出している、キャッシュフロー型の経営をしているということだ」と解説した。

山下氏が、今回のdrupaを「ペーパーレスdrupa」とした上で、「来場者は17万人で2016年から35%減、その前から比べると半分くらいになっている。なぜこんなに大きく減ってるかを考えるととても面白い」と議題を提示。すると岡本氏は「減ってはいるが、来場者全体が若返ったと思う。若く、決裁権のある人が多く来ていたのではないか」と分析し、山下氏も「観光で来ている人が減った」と応じた。

展示傾向に関して山下氏は「カテゴリー別の出展状況では、パッケージのポストプレスが非常に多く、のオフセットの機材は減っており、デジタル機が基本になっている」と報告した。また「ペーパレスdrupa」の解説として「何となく作っていたもの(印刷物)が減る一方で、どうしても作らなければならないもののニーズは増えている。また、DTGやDTFなど、紙に印刷しない分野も増えており、これらがぺ―パーレスだと考えた」と述べた。

 

このほかの発言

山下氏
「ランダは、画質が悪い悪いと言われながらも、やっぱり8年前のサンプルに比べると随分進化している。日本人と海外の人ではサンプルの見方が違って、画質がどうこうよりも生産性などを見ている」
「スペックで並べると本当に高速化が進んでる。富士フィルムはハイスピードで5400枚、キャノンは8700枚をB2で刷っている」
「今回、僕の中でソフトウェアで1番楽しかったのは、実は印刷機のダッシュボード。あれができるっていうことは、全部がIoT化されているということで、あそこの数値が分かれば何でもできる」

吉原氏
「drupaはだが、やはり中国の企業は多かったと感じる」
(岡本氏の「10億あったら何を買う?」)に「個人的にはランダはすごいと思った。一方で、これを日本の市場で回すにはどうするのかというのも考えた。10億あったら、ランダはちょっと1回使ってみたいなっていうのは正直ある。オフセットが、やっぱり1万回転に対して、 デジタルもこのゾーンに近づいてきてるなが、4年後その速度のグラデーションはどうなっていくのかが気になる」
「向こう(海外)の人は、あんまりオフセットデジタルっていうことを言わず、プリントとして見ている。日本にだと、PDDとか、インクジェットとか、なんかオフセットとかの話になっちゃうけれどそれは違うんだと感じた」

林氏
「drupaは数回行っているが、今回はやっぱり中国(企業)の展示会になったと思う。また、岡本さんから示唆されていた『どう稼ぐか』ということを今回は感じられた。ロボットなどのお話もあるが、やはり必要と感じる」「クリックチャージ方式の印刷機では、トナーをたくさん使う絵柄でも使わない絵柄でもが同じ金額をとられていた。インクジェットが主流になることでこれが民主化されると思う」
「この機械を持ってる会社とどう組んだら、どういうサービスができるかといた視点が必要になってくると思う。例えば我々がB3を持っていて、他社にはB1があり、別の会社にはて加工機がある。こういうサービスをネットワーク化できるよね。みたいなのはインクジェットという一つのキーワードを通じてできる。合従連衡ではないが、企業が合併ではなく、1つのプロジェクトで握手しながら、同盟を組んでやっていくことができる」

goof / グーフ
https://www.goof.buzz/

 

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