【2020年12月7日】ファッションビジネス学会のデジタルテキスタイル研究部会は12月4日、オンラインで「2020年度第2回デジタルテキスタイル研究部会講演会」を開催し、約70人が参加した。
講演会は「ZARAの在庫リスクマネジメントとサプライチェーン内製化に学ぶアパレル生産の課題」のテーマで、ディマンドワークスの齊藤孝浩代表が研究の報告を行った。
齊藤氏は、総合商社のアパレル部門、欧州ブランド日本法人、アパレル専門チェーンを経て、2004年、ファッション流通事業のプロジェクトと人財育成を支援するディマンドワークスを設立。
著書に『ユニクロ対ZARA』『アパレル・サバイバル』(共に経済新聞出版社)などがある。
講演の概要は以下の通り。
テキスタイルの販売システムは従来、期初に仕入れ、利益を上げつつ、値下げを行い、シーズンの最後には在庫がなくなるのがベストだった。
ファッションビジネスには、「利益を落とす「落とし穴」があるが、そこを改善するには売れ残ったものを考えることが重要だ。
ユニクロは1年の計画を立てて、売れ行きは週ごとに検証し計画を立てなおしている。
一方でZARAは、最初から必要な量の4分の1しか作らない。売れるものが見えてきて、改良版を出し、シーズンが進めば、進むほど人気商品が増えてくるというシステムだ。
ユニクロとZARAの共通点は、在庫リスクが高い製品化した状態をできるだけ後回しにすること。逆にリスクの小さい素材調達の部分は長期的に用意する。
ZARAは生産で、ボトルネックに注視しており、トラブルが出やすい部分を内製化していることも特徴だ。
これらにより、ZARAは非常に高い利益を得ている。
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