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【セミナーレポート】『デザインのひきだし』津田淳子編集長「印刷の難しいことをやさしく、やさしいことを深く、 深いことを面白く」 ―印刷技術懇談会―


【2019年12月23日】「第478回 印刷技術懇談会12月例会」が12月20日、東京都中野区の東京工芸大学で開催された。
今回は、グラフィック社『デザインのひきだし』編集長の津田淳子氏を講師に「印刷の難しいことをやさしく、やさしいことを深く、 深いことを面白く」のテーマで講演し、約30人が参加した。

津田氏が創刊から企画し編集長を務める『デザインのひきだし』は、印刷技術や紙などの素材を、さまざまな角度から探求する書籍(雑誌流通ではなく書籍として流通・販売している)。ユニークなのは、文字での情報だけでなく、実際の印刷物や加工物、素材を使って製本し、付録のグッズまで同梱するなど「体感できる」内容であることから人気が高い。
なんとこの本、津田氏がほぼ一人で企画・編集しており、その詳細な取材内容に、印刷業界はもちろん、出版業界やデザイン業界などからも熱烈な支持を得ている。

 

セミナーレポート

津田氏は「大の本好き」で、ジャケ買いのように装丁や表紙を見て本を買うことも多いという。また、自身も編集者であることから書籍作りの際に、印刷や加工で「できることと、できないこと」を知りたいと思っていた。
そこから「自分も困っているし、困っている人が多いだろうから、そういう本を作ればいいじゃないか」と考え、『デザインのひきだし』を企画し創刊したという。
「印刷や紙のことを紹介しつつ、自分のできないことを知って、それを教える」ことが目的なので、取材した会社はすべて連絡先を載せている。

この本の大きな特長は、さまざまな印刷加工が施された表紙で、これ自体が印刷の実験場所になっている。
創刊号は、箔やホログラムを特集し、表紙もキラキラと反射がまぶしい。8号はシールやタックの特集で、表紙が再剥離シールとなっており、剥がして使用でき、下地からは別のデザインが浮かび上がる。
このほか、「蛍光インク」や「小口への印刷」「レーザーでの抜き加工」などを装丁で実験。紙の特集では表紙を「パルプシート」にするなど、驚きの試みを続けている。

最新号は「リトルプリント特集」と題し、小ロットでできる印刷を紹介。なんと、オンデマンドプリントで100種類の表紙を作って、これを流通させている。

津田氏は「本というシステムが好き、めくっていけば進み、終わりに近づいているクライマックス感もある。何よりも所有欲を刺激される本があることがうれしい。これからも紙の本を買ってもらえるための工夫をしていきたい」と締めくくった。

デザインのひきだし – グラフィック社
http://www.graphicsha.co.jp/list.html?cat=4&child_cat=22

 


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