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ビジネスガイド社主催の2つの展示会をレポート 「ギフト・ショー」&「プレミアム・インセンティブショー」

【2025年10月24日】ビジネスガイド社主催の2つの展示会がこの秋行われた。一つは日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「第100回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2025」(9月3日~5日、東京ビッグサイト)、もう一つ「第72回インターナショナル プレミアム・インセンティブショー秋2025」で(10月8日(水)~10月10日、サンシャインシティ文化会館ビル)だ。

プリント&プロモーションでは2つの展示会をプリンティングやプロモーション関連のブースを中心に俯瞰し、外観を含めてレポートする。

 

ギフト・ショー秋2025

「東京インターナショナル・ギフト・ショー」は、節目となる第100回を迎えた。
今回は、同時開催展として「第18回LIFE×DESIGN」「第38回グルメショー秋2025」「TOKYO International Gift Show LIVING & DESIGN2025」も併催され、東・西・南の各展示棟とアトリウムを使用しての大規模な構成となった。

イメージ・マジックは3Dフィギュア製作サービス「3DME」を紹介した。
同社は、オリジナルプリントサービスを展開する企業。「3DME」は、3Dスキャンと3Dプリント技術を活用し、人物やペットを1秒で撮影し、オリジナルフィギュアを製作する。

エポックケミカルは、「カラカラ ペリッテ」という1枚ずつ剥がせるマスキングテープを展示。最少で500個から生産でき要るが、経済ロットは5000個から。去年12月から販売しており16種類をラインアップ。ロフトなどの量販店で販売している。

「Shimitori」は、ペン型のシミ取り剤。「ちいかわ」や「キティ」などのキャラクターがプリントされたものもあり、従来のシミ取り・染み抜き剤のイメージを一新している。300個からオリジナルも作成可能。上代は480円、ノンキャラで350円。

デザインフィルは、「ミニチュアマグネット」を多数展示した。ラーメンや寿司といった日本をイメージした商品を多く取り揃えており、インバウンド向けで人気。オリジナルでも5000個から作れるが、デザインから納品までは半年〜1年必要という。

「D-Crips(ディークリップス)」は、さまざまなデザインが楽しめるクリップで、動物や楽器などを取りそろえている。 

トライポッドは、アクリルキーホルダーやスタンド、缶バッジなど、オリジナルグッズで人気の商品を陳列。同社は運営する「NICOFACTORY(にこFACTORY)」を運営する会社で短納期で知られ、最短2営業日での出荷が可能という。

Penon(ペノン)は、エシカルなステーショナリーをテーマにした会社。
「ウッドポストカード」は、UVインクジェットでプリントした3D木製ポストカードで、デザインにそった凹凸感があり、西洋絵画や浮世絵などが立体的に見え、110円切手で郵送もできる。最少製造数は300個。

「アートマグネット」は、美濃焼タイルに同様のプリントをしたもので、こちらも絵柄に立体的な効果がある。この派生形である「旅するマグネット」は、各県の名所や名物などを描いたもので、47都道府県を制覇したという。こちらは270個から製造可能。
いずれも仕上がりの風合いがユニークで、インバウンド需要で売上を伸ばしている。

インパムの「スタンドシート」は、アクリルスタンド風の立体グッズをフィルムで再現したもので、アクリル製のグッズより安価にできるため、プレミアム品などの配布物としての活用を見込む。1000枚から作成可能。

このほかシール・ランベル印刷会社の同社は「ブック型シール」や「ノベリティシール」などを出品していた。

シールでは、奥山商会がインバウンド向けの「和風シール」を紹介していた。価格は275円で、伊東屋やロフト、ハンズのほか、書店、土産物屋でも販売されている。

「きざむ」のブランド名で出品した「DIPalette(ディーアイパレット)」は印刷業。「きざむ」は紙やアクリルを中心とした素材を、 レーザー加工でカットし、見る人の心に響く繊細な表現を目指したもの。
今回は、同社の本社所在地の新潟をイメージした「立体こい」や「長岡花火」などの作品を展示した。

セアールはOEMでさまざまな製品を展示。とくにシールは多くの種類があり、クライアントに合わせた製品を提供できるという。このほか、缶バッジなどの人気グッズも紹介していた。
担当者は「手に持てるもので作れないものはない」と話す。

創兵衛商店は硬度の高い厚紙を使ったユニークなマグネットで注目を集めた。
「漢字マグネット」は、漢字をモチーフにしたもので1個700円。100個からオリジナルを作成できる。

また、「ジャパニーズペーパークリップ」は浮世絵などの絵柄を使った商品で1個1000円。いずれも外国人観光客向け。
このほか、同じく紙製の「フェルトコースター」も展示していた。

クイックアートはDTFシステムによるテキスタイルプリントを紹介した。
「DTF(Direct to Film)」は、フィルムを使用する転写システムで、インクジェットからフィルムにインクを載せ、その上から接着剤のパウダーをつけて固めたものを布に転写しデザインを表現する。従来の昇華転写と異なり、不要部分の切り抜きが不要なため作業工程が大幅に短くなる。

この日はエプソンの家庭用プリンタ「PX-S505」や白インク搭載の「WIP-S505」などを使ってプリントサンプルを作成していた。

ドゥバディは、「DIASEC(ディアセック)工法」を使ったアクリル製品を紹介した。「DIASEC工法」とは真空圧着技法を使用し、アクリルの間にオフセット印刷などでプリントしたグラフィックを挟み込む技術。印刷物を使うため高精細で、細やかな表現が可能な上、プリント面が露出していないため、擦れによるグラフィックの劣化もない。50個から作成可能で、リードタイムは20〜30日。

SAEDAは、コダックのカメラ「ミニショット」を展示。同商品は特殊な用紙を使ったデジタルインスタントカメラで、撮る・見る・プリントが1台でできる。スマートフォンからアプリ経由で写真をプリントすることや、本体で撮影した写真をすぐにプリントするといった使い方も可能。
8月に発売されて、すでに若年層で話題の商品となっている。
担当者は「カメラというより、プリンタにレンズがついたイメージ」と話し、令和の「写ルンです」を目指す。

殻空間はオリジナルスマホケースを展示。同社の製品はギミックを取り入れたスマホケースで、立体でさまざまな形状と色をケースに載せて表現できる上、スノードームのように雪や砂の粒が動く演出もできる。オリジナルも1個から作れるが、経済ロットは4000個から。


 

プレミアム・インセンティブショー秋2025

販促・ノベルティ業界の専門見本市「第72回インターナショナル プレミアム・インセンティブショー秋2025会期10月8日~10月10日まで、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館ビルで開催された。

今回のテーマは「販売促進の原点回帰 Part2 世代を超越する販促品のチカラ」。時代や世代を超えて共感を呼ぶ販促ツールやノベルティの提案を軸に、多彩な企業が最新のアイデア商品やプロモーション手法を披露した。

冨安金属印刷は同社が得意とする缶へのプリントで新製品を出品した。
「デジタル箔缶」は参考出品で、箔やホログラムのような輝度のあるプリントを再現した。

「エデン缶」は、シンプルに真っ白な白いかんでフチに段差があることが特長で60個から製作可能。「スクエア缶」は一般的にお菓子を入れるような四角い缶で300個から製造できる。
このほか白黒シンプルで、丸や角などの形状がある「デュアリスシリーズ」も展示した。
いずれもインクジェットプリンタで出力しており、少量から製造できることが特長だ。

マルエムPOPは、仏像をモチーフにしたアクリルスタンドで注目を集めた。大きめのアクリルに金や木材のような色でプリントしており、周囲をレーザーでカットしている。
担当者は「グッズはもちろん、販促用のPOPなどで使える技術を示した。多くの方に注目をいただいて嬉しい」と嬉しそう。

ショウワノートは、ジャポニカ学習帳のオリジナル版を紹介した。これは表紙部分に独自の写真やデザインを印刷できるもの。企業依頼のみの受注で5000部から作成できる。

グローブファクトリーの軍手はすべり止め部分にオリジナルデザインを施せる。滑り止めのカラーもさまざまで、社名とロゴマークなどの一般的なものはもちろん、のし袋やアニメのキャラクターのようなものまでプリントできる。最少で100組から制作可能。

「おかしプリント」森永製菓が行うオリジナルお菓子の法人向けノベルティサービスで、少量(50個)から、オリジナルパッケージの食品を作成できる。
納期も最短1週間程度と短く、森永の人気商品「ハイチュウ」などのパッケージに会社のロゴやオリジナルのイラスト、画像などをプリントできる。このため、他のノベルティツールよりもコストパフォーマンス良く、記憶に残りやすいビジネスコミュニケーションツールとして好評を得ているという。

三和紙工は老舗紙皿メーカー。オリジナルのロゴ・イラスト・写真を印刷した紙皿・紙コップの製造で知られており、今回も紙皿の上に実際のさまざまなデザインを落とし込んで展示した。
特にコインを模した紙皿は、5円、100円、500円などを写真画質でプリントし、ユニークさと珍しさで人気という。
UVオフセットで印刷されており、樹脂コーティング済みで食品を盛り付けられる。サイズは直径18㎝で、最少受注数は2400枚。

重光商事は、昇華転写タオル・ハンカチ各種を展示。生地にはポリエステル・マイクロファイバーを採用しており、表面の毛足が高くないことから、高精細にプリントできる。
ブースではスポーツチームやキャラクターのタオル・ハンカチを陳列していた。

アトリエ童夢は、刺繍を使用した「節句用名前旗」を展示。同製品は、従来ひな人形や五月人形に使用されていたものをお土産に転用。現在は外国人観光客などから好まれているという。
このほか、金属板にプリントした「鋼旗(こうき)」も展示した。製品は大手出版社の読者プレゼントにも採用されており、人気となっている。
担当者は「独自性の高い押し活ができるグッズ」と自信を見せる。

小松プロセスは、再帰反射、蓄光素材などのメーカーで、これらを使った「再帰反射ステッカー」「蓄光ステッカー」を展示した。
「素材メーカーだからできる、しっかり光るステッカー」と担当者。数百枚から製造可能。

上西産業は、昇華転写プリントを活用し、屋内外で使えるのぼり旗や展示会ブースで使用するパーテーションなどを作成。自社ブースにこれらを使って装飾しアピールした。また、のぼりに使っている「らくちんポール」は横棒が付いており、風がなくとものぼり旗がしっかり見えることが特長。「巻く蔵」はのぼりを巻いてしまえるワンタッチ器具で、掲出はもちろん収納も容易という。

トーエイは、店舗やイベントで使われる紙製の簡易什器を出品。水性インクジェットプリンタで1個などの少量から作成できる上、多くい場合はデジタル印刷機でプリントし5000個まで対応できる。

中央印刷の「プレミアムポスター」は、擬似エンボスや箔を使用し、豪華な印象が特長。ブースに展示されたゴジラのポスターは、ゴジラの皮膚を凹凸で表現し、美しさと迫力の両方を演出した。

小倉商会はペーパディスプレイの会社で普段は、店舗などに設置されるPOPや什器を作っている。3年前からこの技術を活用し、アニメや漫画などの推し活グッズを展開している。UVプリンタや昇華転写プリンタと、カッティングプロッタを活用し、少量から立体的なグッズを作成できる。

「カースタ」は、紙にラミネートしアクリルスタンドのような立体物に仕上げたもので、アクリル素材よりの圧倒的に安くできる。
「キャラクターカード」も、紙とラミで作成でき、安価なことから、配布用のプレミアム品としての需要がある。

カメラのキタムラは「銀塩写真によるブロマイド」を提案。同夜が培った銀塩の技術で、印刷よりもさらに美しい高級グラフィックをファンに届ける。1枚から注文でき、コンサートやスポーツイベントなどで撮影された写真で、プレイヤーやファンが気に入った写真をグッズ化できる強みがあるという。

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