【2019年4月4日】豊国印刷は、米国イーストマン·コダック社主催の「KODAK SONORA Plate Green Leaf Award」を受賞、コダックジャパンが4月3日、豊国印刷本社で授賞式を開催し、同社の工場見学会も行った。
「KODAK SONORA Plate Green Leaf Award」は、持続可能な事業実現への取り組みを推進する経営方針や環境配慮資材の使用を続けている「SONORAプロセスフリープレート」の導入企業を表彰するもので、世界で13社が選出され、日本からは唯一豊国印刷が受賞した。
授賞式ではコダックジャパンの藤原浩社長から豊国印刷の廣田浩二社長へ、記念の盾などが手渡された。
少年マガジンの創刊から事業を開始し、講談社に寄り添いながらビジネスを進めてきた。
2008年に大塚から目白台に本社を移転、また2015年には講談社ブックファクトリーを埼玉県ふじみ野市に開設し、4つの印刷会社が集まって、文庫や漫画、単行本など、何でも生産できる体制を整えた。
さまざまな変化の中で「出版社や著者の思いを作る・創る・造るで実現」という会社の理念を実現していきたい。
2018年は非常に業績がよく、印刷した書籍もベストセラーとなるなどの結果を得た。これらを真摯に受け止めて、小ロット・短納期といった課題に向け、さまざまな施策を詰めていきたいと考えている。
そのようなときにこのような賞をいただき大変うれしく思っている。
第6回となったこの賞だが、ノミネーションが増えており今回は75社だった。この中から13社が選出された。
コダックでは長い歴史の中で「環境にやさしいサステナブルな社会に貢献しよう」という事業を続けてきたが、そういったコンセプトの作品を十分使いこなしていただき、今回の受賞となった。豊国印刷は講談社グループの中核企業で、非常に影響力がある。
こういった企業とともに一緒に仕事をし、一つの結果が出たことを喜ばしく思う。
この後、ふじみ野市の印刷製造部へ移動し、工場見学とともに取り組みを解説した。
同社は、講談社文庫の創刊とともに文庫の印刷を始め、活版印刷主流の文庫で1970年代オフセット印刷を導入した。
その工場から11年前に移転し、リニューアルを重ねてきた。
まずは空調の更新から始め、温度・湿度管理により、さらにいい製品を作れるようになった。
その次に、大量に抱えていたフィルムをデジタル化、さらにはLED照明を採用するなどで工場を変えていった。
「SONORAプロセスフリープレート」の採用もこの一環で、ハイブリッドの少量対応が必要となったがその基盤が完成した。
導入当の「XJ」では、細かい傷などが出てしまい苦労したが、「CX」は大きな傷がなくなり、機上現像が実現。
5台、3種類の印刷機それぞれに機構が微妙に違うため、コダックの立ち会いにより、さまざまなアドバイスを得て、課題をクリアしていった。
これにより、月に2時間かかっていた現像液の交換はなくなり、廃液もなくなった。また朝一番の電源オンで出力できるようになった。
品質管理の向上で、返本率も減り、この面でも環境負荷を軽減している。
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