【2017年6月15日】花王が開発した「水性インクジェット用顔料インク LUNAJET(ルナジェット)」に関する特許技術がこのほど、「平成29年度全国発明表彰」の「発明賞」を受賞した。
「全国発明表彰」は、日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、発明協会が、多大な功績をあげた発明を表彰するもの。
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今回受賞した、花王の特許「インクジェット記録用水系インクの発明(特許第4861810号)」は、フィルムなどの水を吸収しない基材へ印刷できる技術。
従来、水性インクジェット用顔料インクは、乾燥性に課題があり、特にフィルム印刷ではインクがのらず画質低下がみられることなどから実用化が難しかった。
「水性インクジェット用顔料インク LUNAJET」は、インク中の顔料の分散安定性を飛躍的に向上させることで、インクジェット方式での吐出安定性を確保。顔料の高濃度化とフィルム基材表面でのドット径の拡張により、インクの乾燥性と画質が飛躍的に高まった。
シンク・ラボラトリーのデジタル印刷機「FXIJ-1」でもこのインクが採用されている
また、同インクでは非VOC(揮発性有機化合物)化を実現。非反応型で危険物を含まない安全なデジタル印刷が可能。デジタル印刷による多種多様な印刷デザインへの対応や、少量印刷による廃棄物削減などの社会貢献にも寄与できるという。
今回の受賞はフィルムを用いた軟包装印刷、特に食品包装分野で、安全・安心への要望が高いこと、消費者だけでなく印刷作業環境やサステナブル社会の視点から、水性インクジェットインクへの期待が高まっていることなどが評価された。
花王では「これからも、社会的課題の解決に貢献することをめざして、革新的で価値の高い商品づくりとサービス提供に挑戦していく」としている。
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