【2026年4月21日】業界紙記者の独り言。第2回は和雑貨やの営業マンから転身した当時の業界誌編集部の様子について書く。
そして第2回にしてタイトルを「記者の独り言」から「業界紙記者 問わず語りの独り言」に変更しました。
第1回はこちら「【連載コラム】業界紙記者 問わず語りの独り言①「俺は業界紙記者になる!」」
そのころの編集部とそこにいる記者事情を紹介しよう。
まず、記事を書くための道具はキヤノンのワープロだった。画面は白黒で、前の記者のおさがり。パソコンが一人1台の時代ではなく、会社で1台でネット検索は交代で使っていた。
プレスリリースはFAXで来ており、それを見て取材に行ったり、そのまま記事にしたりというケースが多かった。このほか、ニュースを探すのは一般紙からや他の業界紙、大手企業の社内報(電通報など)を頼りにしているというアナログな上に回りくどいやり方だった。
関連業界団体からもらうイベントや業界人、企業に関するお知らせも貴重な情報源だった。その点でいえばこの頃はまだ業界団体に意味はあったし、力も強かったと言えるだろう。

カメラもフィルム時代で、小型の軽いカメラは先輩たちが持って行ってしまうので、キヤノンやニコンの重い一眼レフを持たされる。自分が好んで使ったのは「ペンタックス(現リコーブランド)」だった。
そうそう、ワープロの記録媒体は「フロッピーディスク」、もちろん8インチの大きいやつじゃなくて、ハードケースに入った3.5インチの小さいフロッピーの方。もちろんインターネット回線はぎりぎりADSL(ひょっとしたらISDN)だったので、ワープロで書いたものをこれに保存して、プリントアウトした原稿や写真と一緒に印刷所へ入稿していた。

新聞の割り付けも手作業。新聞と同じサイズの割付用紙(レイアウト用紙)に「見出し」「文章」「写真」を割りつけていくのだが、これにはコツがあって、慣れないと半日かかっても1枚仕上げられない。
見出しと本文、写真の位置を決めたら、写真にトレーシングペーパーをかぶせ、割付で決めた大きさにはまるようにサイズ変更を指定する。このあたりも超めんどくさい。
今なら「indesign」なんかで、見出しと本文と写真の枚数を流し込んで、画像の比率を変えるだけで自動割り付けしてくれるのだろう(もうやってないからよく知らんけど)。

ちなみに割付のコツというのは右上から埋めていくこと。まずトップ記事を右上に決めて、真ん中の記事を入れる。さらに反対に左の記事を寄せ付ける。今度はトップの下の記事…という具合い。さらに下の方に埋め草の小さな記事を入れていくのだ。
こういう新聞の作り方が分かっていると、企業がPR用のプレスリリースを出す時に何が大事かが分かる。一番大事なのはズバリ「写真」だ。写真を大きく使える「絵になる記事」からトップに割り付けられる。写真がイマイチもしくは添付されていない記事は当然ながら埋め草になる。

書いているうちにいろいろ思い出していくので、書き連ねると話が尽きない。ただ懐かしさはあるけれど、この時代には絶対に戻りたくないというのが偽らざる気持ちだ(だいたい戻ったら今の仕事できないし)。
もし戻りたいなんて言う記者・編集者がいたら特殊な趣味をお持ちの方なんだと思う。
とにかくデジタル・IT化前夜で、手作業が多くまだまだ不便な時代ではあった…。
つづく
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