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DNPとva-Q-tec AG 「電波透過型の断熱ボックス」を共同で開発 医薬品などの輸送で力

【2019年7月7日】大日本印刷(DNP)とva-Q-tec AG(ドイツ)は、「電波透過型の断熱ボックス」を共同で開発した。両社は2020年に、この電波透過型断熱ボックスを、適切な温度管理が求められる医薬品などの輸送用に発売する。

「電波透過型の断熱ボックス」は、ボックスを開けることなく、中に入っている製品に貼付されたICタグの情報や温度センサーを外から読み取ることで、ボックスの内容物の確認や温度管理ができる。

医薬品は輸送の際、断熱性の高い輸送用のボックスを利用する。
しかし、従来の断熱ボックスは、水蒸気や酸素などを通しにくいアルミなどの金属を蒸着したフィルムを使用しており、その金属が電波を遮断し、ICタグや温度センサーの無線通信での読取りができなかった。
これにより内容物の確認の際には、断熱ボックスを開けなければならず、内部の温度をいかに維持するかという課題があった。

こうした課題を解決するため、DNPはエレクトロニクス分野や産業用途で培った水蒸気や酸素等への高いバリア性を持つ「DNP透明蒸着フィルムIB-Film」や真空断熱パネルで培ったノウハウを活用。va-Q-tecが真空断熱ボックス技術を活用することで、今回の断熱ボックスを開発した。
中に入れる全ての医薬品に貼り付けたICタグの情報を外から読み取ることで、その都度断熱ボックスを開けることなく内容物やボックス内の温度が確認できるため、医薬品の品質安定とすり替えなどの偽薬防止対策に活用できる。

今後、両社は医薬品卸会社など輸送時に適切な温度管理を必要とする用途向けに電波透過型断熱ボックスを販売し、2020年度に年間で10億円の売上を目指す。

 

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