エプソンら　インクジェット技術を有する韓国発スタートアップ「Gosan Tech」へ出資　ヘッド供給などでも支援

【2025年4月16日】エプソンとエプソンクロスインベストメントは、多様な産業分野での活用が期待されるインクジェット技術を有する韓国発スタートアップ、Gosan Techへの出資を発表した。

出資は、両社が出資するEP-GB投資事業有限責任組合を通じて行われたもの。Gosan Techは2015年設立のスタートアップで、OLEDディスプレイ用のインクジェット製造装置の開発・販売を手がけるほか、ペロブスカイト太陽電池やバイオ領域などへの展開も進めている。

同社は、液滴の均一性と精密性に優れたインク供給システム、圧力制御技術、シミュレーション技術などを保有しており、IT、環境、バイオの3領域で事業を展開している。なかでもペロブスカイト太陽電池は、高い発電効率と製造コストの低減が期待される次世代の再生可能エネルギー源として注目されており、Gosan Techはインクジェット方式を活用した薄膜品質の向上やデザイン性の拡張、材料使用率の向上に取り組んでいる。

エプソンは、プリントヘッド外販ビジネスのパートナー企業の一社として、Gosan Techにプリントヘッドを供給するほか、韓国での販売・サービス拠点であるEpson Koreaと連携し、同社の事業成長を支援する方針だ。

また、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」で掲げるインクジェット技術による生産性向上と産業構造の革新、さらに環境負荷の低減に向けた取り組みの一環として、革新的な技術を持つGosan Techとの連携を推進。互いの強みを融合することで、産業構造の高度化と持続可能な社会の実現を目指す。

今後は、ペロブスカイト太陽電池をはじめとした新たな市場におけるインクジェット技術の活用を加速させ、パートナーとの協業によるエコシステムの拡大と新市場の創出を図る。また、プリントヘッドの外販に加え、周辺技術を含めた包括的なソリューションの提供にも注力していく。