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大日本印刷 ミニLEDのバックライト向け光拡散フィルムを開発 薄さ約40分の1 低消費電力で鮮やかな画面を実現

【2025年1月17日】大日本印刷(DNP)は、低消費電力で鮮やかな画面を実現するミニLED(発光ダイオード)のバックライト向け光拡散フィルムを開発した。
同フィルムは、従来のミニLEDディスプレイ等で使われる拡散板を使わずに、同等の輝度とLEDの素子(ドット)の映り込みを抑えることが可能で、ディスプレイの厚みや重量の低減につながるという。

同フィルムは、特定の光の波長を透過・反射をする誘電体多層膜と光を屈折させる超微細なプリズム(三角の凸部分)の賦形で構成されている。
LEDの真上に出た光は、ドットの映り込みにつながるが、同フィルムでは、誘電体多層膜により、直線の光は透過させず、入射角度の光だけを透過させることでドットの映り込みを低減する。
マイクロプリズムは、LEDの光の方向を制御し、左右に光を拡散。光の拡散によって明るさを均一化することで、ドットの映り込みが低減し、光の利用効率も高まる。

フィルムの厚さは50μmで、通常の拡散板と比較して約40分の1となる(DNP調べ)。これによりディスプレイの薄型化につながるほか、製造工程が簡素化され、生産コストの低減も期待され、モバイル端末など小さな画面にも展開できる。

今後、DNPはミニLED向けに本フィルムを提供するほか、今後拡大が見込まれるマイクロLEDなどの次世代ディスプレイに向けて本フィルムの技術の展開を目指す。

なお、本フィルムに関して、ディスプレイ関連で世界的に権威のある論文誌「Journal of the Society for Information Display(Journal of SID)」のWebサイト「Best of IDW2023」にSPECIAL SECTION PAPERとして招待論文が掲載された。
また、今回の招待論文の続編として、フィルムの層構成などについて、2025年1月25日から米国・サンフランシスコで開催する「SPIE Photonics West」で発表する予定。

Journal of SIDの論文について
タイトル:Alignment-free diffuser film composed of a multilayer dielectric and a microprism layer for mini-LED backlights
https://sid.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jsid.2021

 

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