【2024年11月18日】ユポ・コーポレーションと日本化学工業は、紫外線で硬化する異方導電性接着剤を用いたRFIDラベル・タグの製造方法を開発した。
この技術により、材料の省資源化や製造工程の短縮、環境負荷物質排出量の大幅削減を達成し、今後さまざまな分野でのRFIDの普及が期待される。
RFIDラベル・タグは、電波(電磁波)を用いて非接触でデータを読み書きできる情報媒体で、ICタグや電子タグ、無線タグなどとも呼ばれている。物品に装着・貼付されることで、その中身や個数、価格などの情報を読み取ることが可能で、真贋判定などのも用いられる。
新製品は、日本化学工業が開発した「紫外線硬化型異方導電性接着剤(日本化学工業製 SMERF 開発品)」を用いてICチップを接続している。これは印刷されたユポの裏面に直接アンテナを印刷する製法。
従来の一般的なRFIDラベルは、粘着ラベルに「PETフィルム/アンテナ回路/熱硬化型異方導電性接着剤/ICチップ/粘着剤」の層構造からなる「インレイ」を後貼りすることで製造してきた。
新製法により、「製造工程およびリードタイムの短縮」「製造コストおよびラベルコストの低減」「環境負荷物質排出の大幅削減」「省資源化」などが期待できる。
またユポでは、この新製法と「ユポインモールドラベル」を用い、樹脂ボトル成型と同時にラベリングできるインモールドラベリング適性も確認している。インレイとラベル素材を貼り合わせる従来のRFIDラベルに比べ、ラベルを貼る生産工程を削減できる。
今回作製した樹脂ボトル(左)、赤枠内は直接印刷されたアンテナ(右)
新RFIDラベルは、物流・倉庫管理:商品の追跡や在庫の効率化を実現。スマートパッケージング:消費者に製品情報を提供する新たな方法として利用できるという。
用途例では、交通系ICカードや商品管理ラベル、物流管理タグなどを想定している。
ユポでは、この新技術により部品・商品管理、物流管理が必要な業界に新たな価値を提供し従来の技術では難しかった分野でのソリューションになることを期待。またカーボンニュートラルへも貢献するとしている。
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