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【この人に聞きたい!】UPFARM(アップファーム) 髙橋隆造社長 コメの流通変える!「UPFARM米百選」「米風土」とは?


【2016年2月12日】日本人の魂の食べ物、ソウルフードと言えば、なんといっても主食のお米。炊き立てのご飯が嫌いという人は、ほとんどいないはずだ。そのお米だが近年は偽装などの問題が表面化し、さらにはTPPにより海外産米の流入という課題にも直面している。

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そんな中、農産物の企画販売を行うUPFARMは、コメに関する新たな流通プラットホームを発表し、コメの流通や販売について一石を投じている。同社では高級米ブランドの「米風土(まいふうど)」を立ち上げ、コメの流通事業に参入。「米・食味分析鑑定コンクール」での表彰内容や測定された食味値(味の点数)をもとに、日本のトップともいえる農家を推奨する販売方法を確立した。
さらに昨年10月に、「UPFARM米百選」という道の駅をイメージした都市スーパー向け売場提案をプロデュースし、自ら販売に乗り出す生産者や農協の販路開拓となる、産地直結の新しい販売プラットホームを発表した。
プリント&プロモーションでは店舗での販売方法やパッケージも含めて、同社の髙橋隆造社長に話を聞いた。

なぜお米の流通にかかわられたのでしょうか
日本の稲作文化が危機に陥っているという思いを以前から持っており、その課題を解決したいと思いさまざまな方策を調べる中で、米流通の市場に参入しました。私自身もそれ以降に農業生産法人で田んぼを所有し、農家としての活動もしています。

課題とはどういった点でしょうか
当然、コメの消費の低迷は大きな課題だと感じています。加えて農家は高齢化が進んでおり後継者問題も深刻化しています。このままいけば数年後には、コメの作り手が激減するのではないかという危機感さえあります。
一方で、偽装問題の発覚など、消費者に直接かかわる問題もあり、コメに対する不安もないとは言い切れません。さらにはTPPで海外からのコメの流入も加速しそうです。
最初に消費の低迷といいましたが、それでもお米は巨大市場です。流れを変えていきたいという気持ちもありました。

稲作イメージ1

外国米は安いがおいしくないというイメージがあります。実際、TPPで他国のお米が入ってくることは大きな影響があるのでしょうか
米国でも真剣に稲作をしておいしいお米を作っている農家は多数あります。食味値の世界コンクールでも日本のお米に混ざって、上位に入選する農家もあり、その味は侮れないものです。
そういったお米が安価に入ってくれば、日本のお米は大きな影響を受けるでしょう。

流通という面でも課題が大きいようですね
コメ流通についてはさまざまな議論がありますが、私は“チャンス”のはずの「お米の自由化」によって農家はピンチになっていると感じています。私の経験上、作ることより販売の方が難しいと考えます。
農家は「どうぞ自由に売ってください」と言われたのはいいのですが、近年、米価が下がり、設備の償却や営業コストを考えると、自分で販売しても儲からないのです。

稲作イメージ2

一方で、本当にいいコメを作っている農家でも、JAや問屋に一括して買い上げてもらうのでは、「地域米」としてその地域の他の農家のコメと混ぜられてしまい、農家個々人の努力の結果が評価される方法が全くありません。

そこで始めたのは「米風土」ですね
まずは巨匠と呼ばれてもいいような農家の本当においしいコメを届けて、ピラミッドの頂点から、ブランド米を認知してもらうところから始めました。要するに、プレミアム米による市場の再開拓です。
さらに2014年11月には、デンソーウェーブ(QRコードの開発元)が展開する新型QRコードのソリューションサービス「Q−revo」の第一案件として、コメの新しいトレーサビリティーシステムを共同で開発することになりました。

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それはどういったものでしょうか
パッケージに偽造が困難な“世界初”のホログラム加工された新型QRコードを貼り、これを介してクラウドでコメの流通経路を産地から全て管理するシステムです。例えば玄米30kgを精米機に入れると、5kgに小分けするのであれば、歩止まりによって5袋になりますが、6袋にはなり得ません。それを証明するために、投入玄米、歩止まり、小分け内容を計算し、クラウド上でコードの紐付けを管理します。これにより、水増しを完全に防いだ生産・流通の見える化を実現しました。

消費者から見ると、手持ちのスマホでQRコードを読み取ることで、簡単に商品の説明はもちろんのこと、産地からの流通経路が全て確認することが可能になりました。トレーサビリティーのIT化によって消費者の安心はもちろんのこと、販売店様が本当に安心して販売できる商品スタンダードを実現しました。面倒なトレーサビリティー管理も簡単になり、またロット管理も徹底されるので、リスクマネージメントとしても抜群のシステムだと考えております。

販売方法もこだわりを持って作りこんだそうですね
食品スーパーの陳列棚は消費者につながる一番大事なところなので、非常に気を使いました。今回、発表させてもらった「UPFARM米百選」では、店頭の陳列什器は専用のものを用意し、企画・設計は店舗デザインで実績に高いプログレスデザイン社の西川隆代表にお願いしました。

発表時_R

スーパーの店頭にこの陳列棚が置いてあれば、周囲に溶け込みながらも特別感があり、見た人をワクワクさせる、そんなデザインになっています。商品ラインアップも、「米風土」のほかに全国に広がるUPFARMネットワーク上にいる生産者や農協が展開する「オリジナルブランド米」を集めており、楽しい食べ比べを提案しております。また、供給者が販売したい価格を軸に店頭価格を提案する仕組みによって、さらに多くのお米が集まってくると考えております。

パッケージに関してはQRコード以外のこだわりは
まず、ラベルですが青は無農薬、赤は特別栽培などといった形で4種類の色分けをしています。ラベルの表示は「産地」「品名」「生産者」「栽培方法」の4つで、どれをセールスポイントにしたいかによって生産者が大きさや配置を決められます。
生産者が主張したいことをセンターに持ってきて大きく表示することができます。それが「かに太郎米」や「山田家の米」などの売り文句なのか、「魚沼」や「山形」などの産地なのか、もしくは品種名か栽培へのこだわりなのかはそれぞれが決められるのです。
カニ太郎 魚沼

今後の展開は
私自身は、コメの工程確認がすべての流通米でできるようになればいいと思っています。その手段として「Q−revoのトレーサビリティー」を使ってもらえれば非常にうれしいです。
今は大事件が起こってもそれは別世界のことのように感じる「他人事(ひとごと)の時代」。そんな時代だからこそ、人と人とをつなぐプロデューサーが必要なのだと思います。お米も含めてそういった仕事を展開していければうれしいと感じています。今後もさまざまな視点から新しい企画を生み出し、お米の消費向上に挑み続けたいと思っています。
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プログレスデザイン社の西川隆代表デザインの陳列什器


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