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【この人に聞きたい!】「い・ろ・は・す」のラベルをフレキソ印刷に・前編 日本コカ・コーラ 松岡グループマネージャー&田中学マネージャー


【2017年7月3日】コカ・コーラシステムは今年5月、ミネラルウォーターブランド「い・ろ・は・す 天然水」のラベルにフレキソ印刷を採用した。

従来のラベルはグラビア印刷という方式で製造されていたものだが、新パッケージではフレキソ印刷を採用し、CO2を42%削減するなど環境への取り組みを前面に押し出している。
これまでも環境負荷低減に取り組んできた同社だが、フレキソ印刷への切り替えにはかなりの苦労があったようだ。

コカ・コーラ 011

今回の「この人に聞きたい!」は、日本コカ・コーラ技術・サプライチェーン本部の松岡建之グループマネージャーと、マーケティング本部の田中学マネージャーに、「い・ろ・は・す 」とそのパッケージ戦略について聞いた。

 

フレキソを求めた「い・ろ・は・す」の商品特性

――「い・ろ・は・す 天然水」でのフレキソ印刷採用でしたが、その理由は
松岡 「い・ろ・は・す」は2009年から販売している当社の天然水ブランドです。
従来の天然水とともに、透明でありながらも味があるという「フレーバーウォーター」や「フレーバー炭酸水」をラインアップに加えて、ミネラルウォーターに対する考え方を新しくした製品です。

また、「い・ろ・は・す 天然水」を製造している6つの採水地(北海道札幌市、岩手県花巻市、山梨県北杜市、富山県砺波市、鳥取県西伯郡伯耆町、宮崎県えびの市)から、近くの消費地へ届ける天然水であるため「採水地を大事にする」、そして「代金の一部が森を守る活動に使用される」という活動も行っています。

いろはす フレキソ

このように「い・ろ・は・す」では、環境に良いエコな水というメッセージに基づいて、当初からボトルはしぼれるタイプの薄いもので、ラベルの面積も少なく、薄い胴巻きタイプを使用。できるだけ資源を使わず、廃棄物が出ないパッケージにしています。

いろはす フレキソ
キービジュアルも環境を意識したもの

田中 環境関連団体の活動を支援していることから、積極的な活動はできなくとも、毎日飲む水で「エコになる」「ちょっといいことができる」ということも打ち出しています。

――それ以前はエコを意識したパッケージではなかった?
田中 それ以前の「アクアセラピー ミナクア」(2007年発売、現在は販売終了)という商品では、PETボトル全体を包むフルシュリンクでした。
これですとやはり、フィルムの重量もあり、環境負荷は高くなります。
「い・ろ・は・す」では、すべての容器に最軽量のPETボトルを導入しています。

いろはす フレキソ

 

「クシャ」っとつぶせる体験が広まる

松岡 しかし、ただPETボトルが軽量というだけでは、お客様に認識していただけませんでした。「い・ろ・は・す」の場合は、ボトルを「クシャ」っと、絞るようにつぶせるという体感できる、軽量化の良さを打ち出したところ。「自分もつぶしてみたい」というお客様が現れて、「クシャ」の体験を広めてくれました。

――薄さに対する感想は?クレームはありませんでしたか?
松岡 クレームはほとんど聞いておりません。
逆にわれわれが想定していなかったポジティブな使い方をされる方がいて、びっくりしました。
当時、登山ブームが起こっていたのですが、山登りではごみを捨てて帰ることはできません。このため、「い・ろ・は・す」のボトルの薄さは非常に喜ばれました。
水分補給して、中身がなくなればクシャクシャにして、リュックに押し込めるというのは、登山者にとってはこれまでにない体験であったと思います。

 

田中 プロモーションは、楽しみながらつぶして折りたためるということを強調しましたね。

いろはす 天然水 クシャ 014

――フレキソ印刷への転換の目的は
田中 やはり、環境負荷の低減を求めた結果です。
もちろん、ブランドのトータルイメージとして、「“新しくできること”にチャレンジしていく」ということもあり、より資源を使わず、二酸化炭素の排出量を抑えるのは当然の流れだと思います。

――フレキソ印刷の名前をプレスリリースに出すというのは、私が言うのもなんですが、少しマニアックですよね(笑)。「容器が薄い」「ラベルが薄い」ということに比べて発信しづらい部分もあったのではないでしょうか
田中 「フレキソ印刷に変わったから、買ってもらえる」というような、すぐに消費行動につながる要素ではないかと思います。
ただ、この部分でもエコを発信していくことは重要と考えていますし「い・ろ・は・す」をきっかけに、フレキソ印刷を知っていただけるとしたら、非常にうれしいです。

松岡 「い・ろ・は・す」は「世界を変える水」というコミュニケーションを発信しています。
透明なのに果物のフレーバーが付いているというのは、発売当時、非常に新しいコンセプトでした。
フレキソ印刷の採用も同様に「世界を変える水」のコミュニケーションの一つとして発表したという感じです。

広報担当 捕捉しますと、実は「フレキソ」という単語をプレスリリースに入れるとき、「必要かどうか」「ユーザーに理解されるか」という議論もありました。しかし、この内容はブランドコミュニケーションとして必要だと現場から言われ、リリースに記載したという経緯があります。

 

【この人に聞きたい!】「い・ろ・は・す」のラベルをフレキソ印刷に<後編>につづく
後編では、いよいよフレキソ印刷導入の経緯に迫る




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