【2024年11月21日】日本パッケージデザイン協会(JPDA)は、第3回「日本パッケージデザイン学生賞2024」の大賞を含む入賞30作品を決定した。
「日本パッケージデザイン学生賞」は、パッケージデザインの新しい魅力と価値を学生と共に発掘・伝播していくことを目的にした、学生パッケージデザインアワードで、毎年開催されている。
今回は、「かわる」をテーマとしたオリジナリティのあるパッケージデザインのアイデアを2カ月間募集し、全国の大学・専門学校から744点の応募があった。
「日本パッケージデザイン学生賞2024 大賞」は伊東未夢さん(専門学校日本デザイナー学院)の「あ〜んニマル」だった。
あ〜んニマルは、開封することで環境が「かわる」お手拭きのパッケージ。主に飲食店で提供されるお手拭が「感染症対策として使用後は袋に戻して欲しい」という、飲食店で働く人々の声があったことからデザインしたもの。また、使用済みのお手拭きが机に広がり散らかる様子が、美しくないという課題もあった。
今後、入賞作品は、『年鑑日本のパッケージデザイン2025』(2025年5月刊行予定)に収録される。
JPDA理事長 信藤洋二氏
海外の旅行者が夏場に冷えた布製のおしぼりを体験すると、日本のおもてなし文化に感動するようだ。しかし感染症の拡大により、手間の掛からない使い捨ておしぼりの需要が増えている現状は味気ない。世界の動物が描かれた紙おしぼりは、ゴミを散らかさず安心して片付けられる実用性が良く考えられている。子供にもわかる動物のグラフィックは親しみやすさがあり、手を拭いたおしぼりを口の中にしまいたくなる仕掛けにより、デザインと社会性を両立した大賞に相応しい作品だ。
審査員 ライオン 吉田馨氏
ふだん何気なく使っていたお手拭きですが、「使用後は袋に戻して欲しい」という飲食店の方々の想いがあることをこの作品で知りました。
ご自身のアルバイト経験が活きたアイデアで、学生賞に相応しい作品だと思いました。
開封する様式は動物だけでなくあらゆるモチーフに展開することができ、様々な方に届くものだと思います。
審査員 Allright 高田唯氏
コンビニでよくもらう、あのなんの変哲もない乳白色の紙おしぼり。それを開けるあの時間。その時間はたった一瞬ですが、何も考えない、何も思わない、無の時間であることがこの作品で明らかになりました。この素材にこの遊び心が加わるだけで、これほどまで意識化され、参加しないわけにはいかない、ユーモアたっぷりの作品に。
シンプルがゆえにデザイン力がないと大賞にはならなかったとも思います。すばらしいデザインです。
入賞作品のリスト
https://student.jpda.or.jp/
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