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日本HP、プリンターのセキュリティ脆弱性を調査 ライフサイクル全体に課題

【2025年9月2日】日本HPは2日、プリンターハードウェアとファームウェアに関するセキュリティ課題をまとめた調査レポート「プリント環境の保護:サイバーレジリエンスに向けたプロアクティブなライフサイクルアプローチ」の日本語版を発表した。世界6カ国のIT・セキュリティ意思決定者803人を対象にした調査に基づくもので、プリンターのライフサイクル全体に重大な脆弱性が存在する実態が明らかになった。

調査によると、ファームウェアを速やかに更新していると答えた割合は世界平均で36%、日本でも40%にとどまった。IT部門はプリンター1台あたり毎月平均3時間以上をセキュリティ対策に費やしているが、更新遅延により企業はサイバー攻撃やデータ流出のリスクにさらされている。

導入時や調達段階でもリスクが浮き彫りとなった。調達・IT・セキュリティの部門間で基準を連携して定義している割合は日本で45%、納品時点で改ざんの有無を確認できないと答えた割合は54%に達した。修復段階では、攻撃を受けやすい機器を特定できていると答えたのは34%にとどまり、ゼロデイ脅威への対応はさらに困難だという。

また廃棄や再利用の段階でも課題が顕著で、約9割の日本企業がデータセキュリティがリユースの障害になっていると回答。ストレージ破壊を必要と考える担当者も27%にのぼった。

HPのスティーブ・インチ氏は「プリンターは機密データを扱うスマートデバイスであり、適切な対策がなければ侵害によって重大な被害を受ける可能性がある」と警鐘を鳴らす。同社はライフサイクル全体にわたり部門間の連携強化や迅速なアップデート、セキュリティ証明の活用、安全な再利用環境の構築を推奨している。

調査全文は同社公式サイトで公開されている。

http://www.hp.com/jp/wolf

 

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