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矢野経済研究所 「パッケージ印刷市場に関する調査」 2020年度は1兆3,590億円、前年度比2.0%減の見込み


【2021年6月30日】矢野経済研究所はこのほど、国内のパッケージ印刷市場の調査を実施。各市場・各需要分野の動向や参入企業動向、将来展望などを明らかにした。

2019年度の国内パッケージ印刷市場規模(事業者売上高ベース)は1兆3,861億円、前年度比0.4%増となった。

調査によると、2019年10月に実施された消費税増税の影響が一部あったものの、引き続き、食品・菓子分野が堅調に推移し、市場を牽引した。その他、日用品分野や医薬品分野も拡大している。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年度の同市場は1兆3,590億円、同2.0%減と久々のマイナス成長となる見込み。

2020年4月の緊急事態宣言発出以降、外出自粛が続き、外食産業を中心とした業務用食品向けの需要が大幅に減少、また入国制限措置が取られたことによるインバウンド(訪日外国人客)需要の急減を受け、化粧品やOTC医薬品、土産品用食品・菓子分野の需要も激減している。加えてテレワークが急速に普及・一般化したことで、都市部を中心としたコンビニエンスストア向けの需要も低迷している。

一方で、巣ごもり需要を取り込んだGMS・スーパー向けの食品・菓子の需要拡大や、感染症対策としてマスクや消毒・除菌液(消毒・除菌スプレー)、除菌用ウェットティッシュ、ハンドソープなどの衛生用品の需要急増などプラスの影響もあったが、総じてパッケージ印刷市場における新型コロナウイルスの影響はマイナスの方が大きく、結果として市場は減少に転じる見込みである。

 

プラ資源法と軟包業者への影響

2021年6月にプラスチックごみの削減やリサイクル強化に向けた「プラスチック資源循環促進法」が可決された。
この法律の目的は、メーカーによる設計・製造段階から廃棄に至るまでのプラスチック製品のライフサイクル全般において、包括的にプラスチック資源の循環を目指すことであり、個別の措置事項として「製造・販売事業者等による自主回収の促進」や「排出事業者の排出抑制・再資源化の促進」が明記されている。詳細はまだ不明だが、プラスチック包装材において、今後はリサイクルへの取り組みが必要となることを示唆している。

複合化することで高機能化を実現してきた軟包装材は、ペットボトルや金属缶、食品トレーなどの単一素材の容器とは異なり、リサイクルが難しい。
また軟包装材はプラスチックごみとして出せるため、その廃棄しやすさが利点でもあったことから、回収・リサイクルのルートも確立されておらず、ことリサイクルという点においては、他の容器よりも後手を踏んでいる状況にある。

しかし、フィルム洗浄装置の開発やインキ・フィルム粘接着剤等を脱離する技術の開発、プラスチックのバリューチェーンを構成する大手12社の共同出資による使用済みプラスチックの再資源化事業会社の設立など、ここ2年で軟包装材のリサイクルに向けた新たな取り組みが始まっている。
それらのリサイクル事業を成功させるためには、出口戦略がカギとなると思われる。それぞれの今後の事業動向が注目される。

 

将来展望

現時点において新型コロナウイルス感染症の終息時期は不透明で、経済活動の正常化見通しが立たない状況にあるため、前年度とほぼ同様に推移すると見込み、2021年度の国内パッケージ印刷市場規模は前年度比1.9%減の1兆3,331億円と予測する。
ただ、早期に経済活動が正常化してくれば、前年度の反動もあり、市場は再びプラス成長を取り戻す可能性もある。

 

調査要綱

調査期間: 2021年3月~5月
調査対象: 軟包装印刷コンバータ、アルミニウム加工箔メーカー、紙器印刷コンバータ 、及び関連メーカー
調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材、電話によるヒアリング、郵送アンケート調査ならびに文献調査併用
発刊日:5月31日

問い合わせは以下から
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矢野経済研究所
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