【2020年1月9日】日本印刷産業連合会(日印産連)の「2020年新年交歓会」が1月8日、東京都港区のThe Okura Tokyoで開催された。
冒頭、主催者を代表し日印産連の金子眞吾会長が、来賓、参加者などに感謝の言葉を述べた後、以下のようにあいさつした(要旨)。
今、社会や産業は新しいテクノロジーによって急速に変わりつつある。デジタル技術の進化は著しく、デジタルトランスフォーメーションによって生活やビジネスに変革がもたらされている。
私たち印刷産業もこの変化を巧みに捉え、既存のビジネスプロセスにとらわれない革新的なビジネスモデルも生まれてきている。
このような社会の転換期に対応するため、日本印刷産業連合会では経営方針であるグランドデザインと国連の提唱するSDGsの考え方を基本とし、テーマを定め活動している。
重点テーマとして推進している地方創生については、全国の印刷会社がビジネスパートナーとして地域活性化に関わり地域社会に貢献できるよう、さらに事業を進めていく。
地球環境への配慮に関しては、印刷産業の環境自主基準であるグリーンプリンティング認定制度を核として印刷工場の環境対応を進める。昨年、初めて大手印刷会社もこの制度に加わった。また、プラスチックごみ問題については経済産業省が主導するCLOMAに所属し的確な対応を図る。
さらには、女性経営者のネットワーク作りを通じた女性活躍推進、スマートファクトリーをはじめとする新たな製造技術に取り込む。
7月には、東京2020オリ・パラが開幕。この大会に関連するビジネスは勿論のこと、多くの外国人観光客を迎えインバウンド需要も日本各地で期待できるはずだ。自治体、企業などあらゆるステークホルダーと連携し新たなビジネスを私たちの手で生み出す年にしたい。
日本印刷産業連合会は、今年も印刷産業が社会に必要とされる産業であり続けるために、皆さまと共に事業を進めていく。変わらぬご協力、ご支援を賜りますようお願い申し上げる。
来賓を代表し、経済產業省商務情報政策局の小笠原陽審議官が次のようにあいさつした。
今年は2020オリ・パラが開催される。前のオリンピックでもイノベーションの成果があり、その代表の一つが新幹線だ。政府は今回のオリ・パラで、情報通信の分野に「ソサエティ5.0」というレガシーを残そうとしている。
さて印刷業界だが、全国各地にくまなくあり、地域に根ざした代表的産業と言えるだろう。それだけに地方の活性化に貢献できる産業であると感じる。
経産省では昨年11月に「印刷産業取引実態・現状調査」を改めて行い、さらなる発展、付加価値、新たなビジネスを生み出す事業に取り組んでいることが明らかになった。
そうした中で、地方創生は今後の柱だろう。
4年ほど前、私は地方創生事業に担当として関わっており、さまざまな企業に集まって話を聞いた。その議論の場でさまざまな事業者が異口同音に言っていたのは「印刷業に相談に乗ってもらっている」ということだ。
印刷業は、裏カーボンやパンフレット、名入れ封筒などを通して、仕事のやり方について、多くの企業から相談を受けているということを知った。今では、ここからデジタルに関するコンサルや、システムの開発を行い発展している会社もあるという。まさに地域の活性化には、印刷業が重要さ産業と考えており、さらなる発展を願う。
経産省としてはオリ・パラ後の発展を見据えて経済の好循環維持を支えていきたいと思う。
乾杯の発声は来賓の日本印刷産業機械工業会(日印機工)の宮腰巖会長が行い、以下のようにあいさつした。
昨年は令和への改元があったが、消費増税や度重なる自然災害などがあり、厳しい一年と感じた。今年は東京オリ・パラがいよいよ開幕。我が国経済の大きな発展につながると期待している。
さて、我々の五輪と言える世界最大の印刷機材展「drupa2020」が今年6月ドイツで開催される。
主催者側の発表によると、出展規模は日本がドイツに次いで2番目と聞いた。日印機工の会員企業も多数、最新技術搭載の機械を出品する。これらは日印産連のグランドデザイン「持続可能な社会」に貢献できるビジネスモデルを形成できるものだ。
日本の印刷産業が新たに飛躍するための基礎となるように期待いただき、多くの方に足を運んでいただきたい。
宮腰会長の乾杯の発声により開宴。来賓の衆議院議員からの挨拶があるなど、華やかで和やかな歓談が午後6時まで続いた。
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