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レポート「インクジェット4.0セミナー」 第1回は「インクジェット技術の基礎」 歴史・技術・現状をプリンテクノ代表の木村哲雄氏が解説


【2018年5月28日】「インクジェット4.0セミナー」が5月25日、文京区小石川の日本プリンティングアカデミー(JPA)で開催された。
主催はインクジェットカレッジで、講師はプリンテクノ代表・日本印刷技術協会客員研究員の木村哲雄氏が務めた。

インクジェット4.0セミナー プリンテクノ

同セミナーは、全6回を予定しており、インクジェット技術の歴史から、各国・各社用・途別の動向、最新技術の紹介、今後の展望までを網羅し、紹介していく。

インクジェット4.0セミナー プリンテクノ

第1回は「インクジェット技術の基礎」をテーマに、その歴史と概観、技術の基礎、現状を解説した。
セミナーの概要は以下の通り。

 

第1回インクジェット技術の基礎

・インクジェットの歴史
インクジェットプリントの歴史は1980年に「第1世代」の誕生ではじまる。
「第2世代」では低価格化、「第3世代」で高画質・品質化し、「第4世代」=「インクジェット4.0」では、さまざまな用途に活用される多業種膨張型のとなった。
「インクジェット4.0」の代表的な事例で言えば、ネイルで実現している。今後はヘアカラーやまつ毛、化粧などにも使用されるのではないだろうか。

インクジェット4.0セミナー プリンテクノ

・インクジェット印刷機の種類
インクジェットプリンタの分類は主に「ホーム」「オフィス」「産業用」「印刷業務用」「ワイドフォーマット」に分けられる。

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「ホーム」は家庭用の製品。
「オフィス」は、これまでトナーが中心だったが、毎分100枚出力できるプリンタの登場で、ランニングコストの安さから注目されている。
「ワイドフォーマット」は看板向けで成長、現在はテキスタイル用途もその範疇となった。
「産業用」では、「枚葉」の大判で毎分70mという製品がある。
「印刷用」では「ロール」タイプで毎分数百mの高速印刷が可能な製品があり、少量印刷に貢献している。

これらデジタル印刷とJDFなどの工程管理の相性はよく、うまく連動すれば、印刷工場の無人化も可能だろう。

用途別の売上動向では、「ホーム」「オフィス」は減るが、「ワイドフォーマット」や「業務用」はまずまず伸び、「産業用」は今後大幅に増えていくだろう。

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・インクジェットプリンタの仕組み
インクジェットプリントは「ヘッド」「インク」「タンク」と、これらを制御する「ソフト」で構成される。

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ヘッドの大分類では「オンデマンド型」と「連続噴射(コンティニアス)型」の2つに分けられる。

「オンデマンド型」では「ピエゾ方式」「サーマル方式」などがあり、「連続噴射型」は「偏向制御型」「発散型」などの方式に分類され、各社がこれらの技術を採用した製品を市場に提供している。

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「インク」は、素材の違いで「染料」と「顔料」に、また硬化方式により「水性」「油性」「UV」に分けられる。

「タンク」は、意外に知られていないがヘッドへのインク供給に重要な部分。供給の際、メカニカス(液体表面の曲面)を作り出すことで、インクの吐出をコントロールする。
方式には「毛細管力」「水頭差」「バネ復元力」などに分類される。いずれも精密さやサイズ、コストなど一長一短があり、プリンタの特性によって採用されている。

・新しい潮流
用途では、3Dやグッズ製作、テキスタイル、可食インク、プリンテドエレクトロニクスなの分野でインクジェットが採用されており、紙や平面のプリントから、凹凸のある素材や立体物へのプリントもインクジェット技術に採用されつつある。

なお、次回は6月23日。インクジェットの歴史から世界の潮流、今後の動向、自分たちで作れるプリンタの話までを紹介する。

 

セミナーのスケジュール

5月25日(金) 「第1回インクジェット技術の基礎」
6月22日(金) 「第2回インクジェットヘッド技術」
7月13日(金) 「第3回インクジェットシステム技術」
8月17日(金) 「第4回インクジェット各社製品の種類と特徴」
9月14日(金) 「第5回インクジェットインクとメディア技術」
10月19日(金) 「第6回インクジェット攻めと守りの特許戦略」

 

懇親会

セミナーの終了後には、参加者の吉川武志氏(小森コーポレーション)らが手作りの料理を振る舞う懇親会も開催され、参加者が立場を超えた情報交換を行った。

インクジェット4.0セミナー

 


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