【2019年12月7日】「エコプロ2019」が12月5日から今日7日午後5時まで、江東区有明の東京ビッグサイトで開催されている。
主催は産業環境管理協会、日本経済新聞社。
同展示会は、アジア最大規模の環境総合展。今回は、「持続可能な社会の実現に向けて」をテーマに、515社・団体(1,102小間)が出展、来場者数は160,000人を見込んでいる。
入場料は無料(登録制)。
昨年までは、どちらかというと一般消費者や児童・生徒向けの展示が多く、クイズやスタンプラリーで景品を配布するような展示が多かったが、今年は少し傾向が変わってきたようだ。
プリント&プロモーションでは、容器や印刷、製紙関連を中心に会場をレポートする。
注目は、欧米で始まった容器回収システム「Loop」。
このシステムは、パリとニューヨークで始まっており、ユニリーバやコカ・コーラ、ペプシ、ダノンなど、大手ブランドオーナー20社以上が参加している。
この規格では容器の多くをプラスチックから、金属やガラスなどに変更し、繰り返し使用する。回収のシステムを独自に持っており、各家庭に用意されたバッグに使い切った容器を入れ、ある程度たまったところで回収員(宅配便など)が家庭までこのバッグを取りに来る。
日本では2020年秋に活動を開始する予定で、今回は味の素、P&G、キリン、キッコーマン、資生堂などが展示を行っていた。
容器関連は環境対応素材をアピールする会社が目立った。
東洋紡の「サイクルクリーン」では、ラベルで80%、PET素材は50%のリサイクル素材を使用している。また「バイオプラーナ」は植物由来原料を採用した製品。
福助工業と豊田通商は、バイオマスプラスチックの採用事例を多数展示。レジ袋では510社が導入しており、飲料のボトルなどでも採用がある。
T&K TOKAはライスインキやバイオマスインキ、水性フレキソインキなどを紹介。担当者は「食品関係のクライアントからは、環境素材を使いたいという要望がある」と話す。
大東印刷工業は、石灰石を使った紙の代替製品「LIMEX」を使用したカレンダー作成を実演し、その場で配布も行った。LIMEXの水に強い性質を、アピールするなどで足を止める来場者が多かった。
日本製紙は、紙素材のパッケージを採用事例とともに展示し、軟包装からの回帰をアピールした。キットカットなど話題となった商品への採用もあり、今後この傾向は強まりそう。
このほか、無機物とパルプから作る紙「ミネルパ」についてミニセミナーを行うなど自社製品について詳しく解説している。
王子グループの「OKタック グリーンシリーズ」は、海水につけると小さくなりほぼ消滅、土中でも分解される素材で作られているラベル用紙。植物由来でセルロースを使用している。
このほか、「エコマリンタック」やプラスチック包装だいたいとなる「マルチバリア紙」「紙コップ用の紙フタ」「紙ストロー」なども展示している。
レンゴーは、同社段ボールが「古紙率98%」であることを、ブース正面のディスプレイでアピール。
輸送用の箱がそのまま展示だなとなる「スマート・ディスプレイ・パッケージング」や野菜を陳列しやすい「マルシェキット」、少量から鮮やかな色で作成できるデジある印刷の「デジパケ」などを出品している。
紙をオフィスで再生する機器も注目が集まった。
デュプロ精工は、「RECOTiO EV-250」を展示。水を使用し、本格的な脱墨、溶解から、抄紙が行える。脱墨から溶解まで2時間ほど必要で、その後は1時間に250枚のA4用紙を作れる。価格は1000万円弱で、地方自治体などを中心に採用がある。
エプソンの「Papelab A-8000」は乾式の抄紙機。水を大量に使わずに髪を再生でき、環境負荷が低いことが特長。2016年の発売から約40台を納入している。
来場者に子供が多く、子供向け、一般消費者向けの楽しい企画ブースが相変わらず多い。しかし、一部の企業ではBtoBを意識した展示を増やしており、「SDGs」や来年7月の「レジ袋有料化」を見据えた意識の変化がみられる展示会だった。
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