【2016年9月15日】「第18回自動認識総合展」が9月14日から、江東区有明の東京ビッグサイトで開幕した。主催は(社)日本自動認識システム協会。
同展示会は自動認識に関する見本市、というと少し分かりにくいが、バーコードやICチップ(RFID)、画像認識に関する専門の展示会で、ここのところ注目されているIoTやビッグデータの情報収集用のデバイスなど便利な技術とシステムが多く集まっている。
出展者数は104社・3団体、出展小間数は272小間。東4ホールのみの展示で、他の展示会に比べれば規模は大きくないが、この分野では日本最大の展示会。前回は2万5,000 人が来場しており、今回も同程度の来場者を見込んでいる。開催は16日(金)まで。
プリント&プロモーションでは、印刷や店頭での販促などにかかわる出展者をピックアップしてレポートする。
レポート1では、まとめてレジ清算や棚卸ができ、ユーザーのストレスを解消する注目のシステムを紹介する。
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村田製作所(ブース:J-1)は「RFIDを使った自動精算システム」を参考出品した。
RFIDタグはICチップとインレイと言われるアンテナでできており、電波で内部のデータを読み取るのだが、このタグが水や金属のそばでは反応しづらかった。
近年はそれが解消されたことから、村田製作所ではペットボトルやアルミ缶にタグを貼り付けてレジ会計を実演。かごに入れて読み取り装置の上に載せるだけで、レジ精算が終了する。
担当者は「コストの面でまだ食品や飲料にRFタグを貼ることは難しいが、技術的には可能ということをお見せした」と話す。
すでに貴金属や化粧品、高額な書籍など一部の高価な商品ではRFタグが貼られているものもあり、現場で活用されている。
レジ一括清算で、RFIDとは異なるアプローチをしているのはブレイン(ブース:H-10)。
「BakeryScan(ベーカリースキャン)」は、パンを載せてその姿を読み取るだけでレジ精算ができてしまうという優れもの。関西を中心にすでに100件・70社以上の導入があり、ベーカリーショップでのレジ業務とお客さんのストレスフリーに役立っている。
このシステムのエンジンが「AIスキャン」。パンだけでなく、他の商品にも応用できるそうで、この日はレストランの定番メニューを読み取っていた。
AI(人工知能)の搭載でスキャンをするほど間違いが少なくなるシステムだそうで、応用範囲が幅広いという。
担当者によると「最初の読み取りから本格的な立ち上げに時間がかかる場合があり、まだ改良の余地がある」とのこと。
ただ、今後の改良次第では、飲食店はもちろん、食料品や物品販売などでも活用できそうだ。
共同印刷(ブース:G-9)の「フルスキャンコード」は、複数一括読み取りと端末へのAR(拡張現実表示が可能な2次元コード。
遠くからでもコードの読み取りが可能なため、バーコード1点ずつの読み取り確認の必要がなく、棚卸などでの作業時間を大幅に削減できる。
ARの活用でスマホやタブレットに読み取りながら表示できるため、必要なものがどこにあるのかをリアルタイムで確認できるのもありがたい。
担当者は「10mm角程度のモノクロ印刷で複数読み取りができるためRFIDに比べ低コストで導入できる」と長所を教えてくれた。
重要書類などの管理で活用できるというが、Tシャツなどに大きく印字すれば、大規模な野外ライブなどでチケット替わりにしたり、イベントでのくじ引きに使えそうな技術だ。
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