【2025年10月14日】エプソン(セイコーエプソン)は、インクジェットプリンタ用プリントヘッドの生産能力を拡大するため、グループ会社の東北エプソン(山形県酒田市)で建設を進めていた新棟(6号棟)が竣工したと発表した。投資額は約51億円で、将来的に同社のプリントヘッド生産能力を現在の約4倍まで引き上げる計画である。
エプソンは独自の「マイクロピエゾ技術」を核に、オフィス・家庭向けから商業・産業分野まで幅広いインクジェット製品を展開している。
商業・産業用プリンタでは「PrecisionCore(プレシジョンコア)マイクロTFPプリントヘッド」を搭載した機種が多く、エプソンでは今後、このヘッドを採用する製品の増加を見込む。さらに、外販ビジネスの強化や異業種とのオープンイノベーションを通じ、エレクトロニクスやバイオ分野など新用途への展開も進める。
東北エプソンは1995年にプリントヘッドの生産を開始。2013年からはPrecisionCoreプリントヘッドを量産しており、自動組立ラインによる高効率な生産体制を構築してきた。今回の新棟は、広丘事業所(長野県塩尻市)の前工程増産や秋田エプソン(秋田県湯沢市)との連携を図りながら、国内の後工程生産能力を高めるものとなる。
また、生産ラインの共用化によって生産変動に柔軟に対応し、BCP(事業継続計画)面でも強化を図る。新棟は既存工場に併設され、部品から組立までの工程を効率化。自動運搬ロボットや省エネ空調の導入などにより、省人化と省エネルギーを実現する「未来工場」を目指すという。
稼働は2026年5月を予定しており、建築面積は5,500平方メートル、延床面積は約1万1,200平方メートル。東北エプソンは今後も地域に根ざした企業として、地域社会と調和する生産拠点づくりを進めるとしている。
マイクロピエゾ技術:https://corporate.epson/ja/technology/overview/printer-inkjet/micro-piezo.html
PrecisionCore:https://corporate.epson/ja/technology/overview/printer-inkjet/precision-core.html
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