【2025年9月10日】シンクイノベーションはこのほど、「缶バッジの高速自動機」や「ナスカン取り付け自動機」を含む7つの製品を自社開発し、機器や販売に関する説明会を9月9日、東京都港区の産業貿易センターで100人超を招き行った。
同社はアクリルキーホルダーやアクリルスタンド、Tシャツのプリントなどオリジナルグッズの制作と販売で知られており、缶バッジもそのラインアップの一つとして近年受注数を伸ばしていた。一方で缶バッジをはじめとしたグッズ作成やアセンブリ(袋詰め)は手作業が多く、コストアップの原因となっていた。
自動機の開発はユニテックス(長野)と協業で行い、今後も共同で開発と販売を進めるという。ユニテックスは2001年創業で、長野県駒ヶ根市に本社を置く自動化・省力化機器メーカー。加工や組み立て、検査、梱包の作業をロボットなどに転換する支援を行っている。
今回発表されたラインアップは以下のとおり。
缶バッジ量産型 高速自動機
缶バッジフレキシブル自動機
ナスカン取り付け自動機
OPP袋入れ自動機
ラベル貼り自動機
Tシャツたたみ自動機
ペット用3Dスキャナ
このほか、開発中の製品も多数あるという。
目玉となる「缶バッジ量産型 高速自動機」は、1時間に7000個の生産が可能。プリントから切り抜き、挟み込みまでを完全自動化し、人員を配置する必要がない。従来の缶バッジ自動製造機は、早いものでも1分間に20個程度で、オペレーターが素材を供給し続けるなど半自動のものが多かった。
「缶バッジフレキシブル自動機」は、その簡易型で、缶バッジ制作のコア部分を自動化する。
「ナスカン取り付け自動機」は、アクリルキーホルダーなどにチェーンを取り付ける際のナスカン作業を自動化するもの。
「OPP袋入れ自動機」「ラベル貼り自動機」は、袋詰めと封入を自動化し、これまで人員を多く割いていた部分を効率化する。
「Tシャツたたみ自動機」は、プリントしたTシャツを封入する前の折り畳み工程を自動化。従来も折りたたみ機はあったが、人がTシャツを置き続ける必要があった。同機では20枚程度をセットすれば、自動で折りたたむ。
「ペット用3Dスキャナ」は、同社が進めるフルカラー3Dプリント用に開発された撮影機器で、需要の多い中小型犬サイズに特化。従来機より大幅に小型化され、イベントなどへの持ち運び利用を見込む。
いずれも自社で使用した上で他社へ販売し、要望があればユニテックスと共同で開発を進める。同社は今後、機器販売事業を拡大させたい考えで、2028年までに100億円の売り上げを目指す。
一般向け披露は9月30日から10月1日、池袋サンシャインシティ文化会館で開催される「OGBS 2025」を予定している。
問い合わせはシンクイノベーション営業(052-212-859)まで。
1年間で7台の自動機を開発したが、これには理由がある。
日本では5年後、最低賃金が1500円となり、労働人口は300万人減少すると予測されている。時給が上がるということは、自動化する会社とそうでない会社でコスト差が生じることを意味する。
また、自動化により以下の効果が得られる。
これらにより、グッズ業界の自動化を進めていきたい。
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