【2016年9月14日】「『印刷技術革新によるパッケージへの新提案』~drupa2016から始まる新しい潮流~」(主催:一般社団法人PODi)が9月13日から、東京都江東区青海のテレコムセンタービル会議室で開催されている。開催は今日14日まで。
同イベントはセミナーとテーブルトップショーを中心としており、講演や展示を通じデジタルプリンティングの専門家やメーカー関係者などが最新情報を発信する。
講演の内容は以下の通り。
今回は2日間で延べ1500人(各セッション申込制)という大変多くの方からの申し込みいただいた。このイベントが新しい印刷の潮流を作ることを希望する。
PODiは20年の歴史を持っているデジタルプリンティングに関する団体で、会員数は800(社・個人)。
デジタルプリンティングの事例を1500以上ストックしており、これを会員は自由に閲覧、利用できる。
世界の印刷数量は、2012年にA4換算で50兆ページあったが、現在は50兆ページを切っている。
原因は一般・商業印刷の不調。書籍や新聞は、ネットのデバイスが普及すれば、逆に減っていくということは皆が感じている。
一方でパッケージ印刷は成長している。
近年起こっているのは以下のことだ。
「マスコミュニケーションから、セグメントコミュニケーションへ」
「マスメディアからパーソナルへ」
「マス生産から小ロット生産へ」
これは成長を続けているパッケージ印刷でも同じだ。
今年行われた「drupe2016」では、展示の中心が完全にデジタル印刷機だった。今行われている「ラベルエキスポアメリカ2016」もデジタルが中心と聞いている。
しかし、これだけデジタルが注目されていても、商業印刷のうちデジタル印刷で刷られているのはわずか5%、印刷総量の2%しかない。
いまだに印刷の中心はアナログ。
現在はデジタル印刷機とデジタルワークフローでフルオートメーションすら可能だ。
もっと活用されてもいいと思う。
今日は講演者の話から、デジタル印刷機の活用を皆さんで考えていただきたい。
デジタル印刷機がさまざまな分野で注目されているが、パッケージでのデジタル印刷機のターゲットはまずはラベルだった。そこからだんだん面積の大きな印刷に広がっている。
印刷会社に勤務していた時代によく地方のスーパーで言われたのが「これほど数量はいらない」ということ。少量印刷は以前から求められていた。
デジタル印刷機がある今、やり方を変えていかなければならないと思う。
ポテトチップスのキャンペーンの事例。パッケージにユーザーが撮影した夏の思い出の1シーンを掲載し小売店で販売している。掲載されたユーザーには、プレゼントが贈られた。
包装分野の世界市場は60兆円、2030年には100兆円になるといわれている。
このうち1%でも取り込めれば、すごい売り上げになる。
しかし、デジタル印刷の内製化は危険もある。デジタル印刷機の技術進化は非常に早く、機械を入れた時点から陳腐化が始まる。
そうは言っても商品やシステムの開発は急がなければならない。それには1社で行うことはかなり難しい。多くの会社が集まって、それぞれの力を集めて開発しなければ間に合わない。
包装は応用化学だ。
人間のライフスタイルに合わせて変化している。
ITなどインフラを活用して、従来の印刷とは異なるデジタル印刷にどのように参入するか考えてほしい。
イベント特設サイトURL
http://podi.co.jp/event_package
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