【2020年1月9日】凸版印刷はこのほど、企業ごとの基準に合わせて文章の校閲・校正を可能にする「AI校閲・校正支援システム」について、金融業界向けにサービス提供を開始した。
「AI校閲・校正支援システム」は、AIを活用し印刷物・デジタル媒体に関する業界・企業特有の表記や専門用語を学習できるシステムで、2019年10月に開発されたもの。
今回、実用の第1弾として、金融向けに提供された。
採用したのは、みずほ銀行で、2020年1月から広告制作物に関する業務効率化を目的により運用を開始する。
採用の背景には、みずほ銀行で行われていた二重三重のチェックと複数の確認者からの差し戻しがあり、制作部門、確認部門ともに負担がかかっていた実態がある。また、制作レギュレーションに対する校正スキルやナレッジの属人化も課題となっていた。
採用に先だち、凸版印刷とみずほ銀行は共同で、同システムの実証実験を2018年12月から2019年3月まで約4カ月間実施。実証実験では、広告制作物における校閲・校正業務に本システムを活用することにより、作業者の負荷削減やヒューマンエラーの減少などの業務効率化が確認され、有効性が実証した。
同システムは、企業ごとの基準の学習のほか、「てにをは」の誤用や漢字誤変換、誤字脱字なども、文脈と合わせて判断・検出が可能。媒体制作のルールや基準をシステムが管理し、異なる制作者・管理者による品質のばらつきを防止する。また、媒体ごとに異なるレギュレーションの複数管理にも対応する。
確認者による完成文書に対するチェックだけでなく、制作段階からの文章チェックにも合わせたインターフェースをそれぞれ提供。制作時のチェックからオンラインでの赤字入れ、修正指示出しまでの制作フロー全体のデジタル化・効率化を支援する。
凸版印刷は、金融業界を中心に「AI校閲・校正支援システム」の拡販を進め、2020年度までに20社の導入、2022年度までに関連受注を含めて累計100億円の売上を目指す。
また今後、金融機関以外の業界に向けて、企業特有の表記や専門用語の実装とAIによる学習を進め、各業界へ展開する。
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