【2024年5月29日】コダックは5月28日(現地時間)、ドイルのメッセデュッセルドルフで開幕した「drupa2024」の同社ブース(ホール5・ブース A02-2)で、「ブース カンファレンス」を開催した。
今回、今回、同社は最大印刷速度が152 m/分 のデジタルインクジェット印刷機「KODAK PROSPER ULTRA 520 プレス」をメイン展示。KODAK OPTIMAXプライマー向けに最適化された「OPTIMAXプレコーター」を搭載し、インラインコートをデモンストレーションした。このプレコートにより、多くの用紙への対応が可能となり、オフセットからデジタル印刷へのジョブ移行をスムーズにする。ブースでは、同機などでプリントした多くのサンプルを展示・配布している。
このほかの新製品では、新たなコンティニュアスインクジェットモジュール「KODAK PROSPER Print Bar」を発表。解像度は600×900dpi、最大印刷速度は300mpm(600×600dpi)、105㎜単位でプリント幅を拡大できる。用途に合わせて4モデルを(モノクロと4色のオプション)を用意した。
ブースカンファレンスには、同社のジム・コンティネンザ会長兼CEOも出席し、各製品の担当者がdrupaでの展示製品の性能や技術、用途、市場性などを解説した。
カンファレンスの最後には、デジタル印刷機「KODAK PROSPER」のユーザーらによるパネルディスカッション「Customer Roundtable The ‘and’ era of Print」が行われ、報道陣や関係者など100人以上が出席した。
登壇者はモデレーターのエリック・ベッセルズ氏(WhatThey Think 社長)、パネラーはアンディー・ロビンス氏(英国Blackmore、マネージング ディレクター)、パット・マレー氏(Japs OIson、米国最高執行責任者)、マーク・バッキンガム氏(英国Paragon、統合ディレクター)、リー・リーブス氏(英国Pureprint Group オペレーション ディレクター)、そしてコンティネンザ会長兼CEOも登壇した。
参加者からは以下のような発言があった。
「当時、デジタル印刷機の導入は冒険だったが、良い結果を得た。今は主力の一つとなっている」
「『PROSPER』は、多品種・短納期に応えられる印刷機だ」
「オフセット印刷などに比べてスキルレスになるし、熟練工が必要がないのは人手不足の今にありがたい」
「可変印刷への対応が気に入っている。オフセット印刷だけではできない多様な印刷ができるようになった」
「オフセット印刷は、いまだ主流だが次の体制に備えるには、デジタル印刷機を持つ必要がある。その中で『PROSPER』はよい選択だった」
「このデジタル印刷機によって印刷はシームレスになり、5年前にはできなかった自動化が見えてきた」
最後にコンティネンザ会長兼CEOがこれらに応えて、以下のように発言した(要約)。
今、参加者の皆さんのご意見をお聞きしました。
つまりデジタル印刷機による少量・短納期、そして可変印刷は、新規ビジネスにとって重要だったということです。これは競争力を維持し新規ビジネスを推進するために、既存のビジネスをやめてしまうことではありません。オフセット印刷は主流で、皆さんの会社で稼働し続けているでしょうし、これらのマシンを捨てることはないのです。
しかし、投資を最大限に活用したいのであれば、デジタル印刷機をお勧めします。
オフセット印刷などの熟練オペレーターというのは、30年間の訓練をしたような人たちで、素晴らしい賜物です。一方で、これからは熟練工という個人をトレーニングするのは簡単ではありません。そこでデジタル印刷機という比較的トレーニングが簡単なマシンを選ぶのはどうでしょうか。
私の姪には4歳の子供がいますが、iPhone を手に取ってすぐに操作できました。説明書を読んだことはありません。デジタル化というのはこういうことを指すのだと思います。
できるだけ多くのお金を機械に投資して、そこから利益を得るつもりなら、印刷の中の変数を探し、それを少なくできる「デジタルによる効率化」を進めましょう。
参加者と交流するコンティネンザ会長兼CEO(中央)
コダックの「drupa2024」詳細
https://www.kodak.com/ja/print/page/drupa/?CID=go&idhbx=drupa
Copyright © 2024 プリント&プロモーション . ALL Rights Reserved.