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【工夫と創造のこの企業】島津印刷 デジタル加飾で新たな市場をつくる!


【2019年6月28日】島津印刷は1949年、新発田市上町で島津憲一氏が創業した地元では老舗の印刷企業の一つ。
商業印刷や書籍印刷、帳票などさまざまな印刷を手掛けており、ほぼすべての印刷物を内製で生産している技術企業でもある。地元はもちろん、東京・大阪・仙台にも事業所を置くなど、地域を越えた事業展開を行っており、多くの顧客から支持を受けている。
同社は2016年、コニカミノルタが販売するデジタルスポットUVニスコーター「JETvarnish 3D」を導入し、新たな印刷の可能性を目指している。

 

デジタル加飾に新たな可能性

同機の導入を推進したのは島津延義副社長。YouTubeの動画で「JETvarnish 3D」の存在を知り興味を持ったという。
しかし、その第一印象は「国内ではまだ未導入の機械で、それも印刷機ではなく箔と厚盛ニスができるのみ。金額的にもちょっと高額と感じた」と当時を振り返る。

その頃はまだ「デジタル箔やエンボスといっても『なんですか』と言われてしまうような認知度だった」そうで、その点でも導入には慎重にならざる部分はあったという。

一転して、早期導入の理由は印刷業界を取り巻く状況にあったという。
同社の収益の中心は商業印刷だが、この分野に関しては技術・市場ともに成熟しており、「今後、この分野が大きく発展することは難しい」と島津副社長は考えていた。
次の設備投資を考える中で、YouTubeで見た「JETvarnish 3D」が候補として徐々に大きな存在になっていったという。

デジタル箔・ニスの特長は型(箔版)を使わないことで、このため少量の加工でも型のコストがなく、さまざまな形に箔やニスを使用できる。
また、デジタル化により、複雑な形に対応でき、文字や図柄、絵などに沿っての箔や光沢を付けるといったこれまで不可能だった加工法も実現する。

 

玄人好みで反響大きい

島津副社長は、デジタル加飾について「国内にまだ知られておらず、加工したものにはインパクトがある」「この新技術をわが社が育てたい」という強い期待と気概をもっていた。
「市場はまだない。おそらく当社が作らなければならない状況で、受け入れられるかどうかも分からなかったが、そこにこそ価値がある」とも考えた。

導入についてはもちろん、他のデジタル後加工機についても検討したが、「JETvarnish 3D」は、箔加工部分が熱で箔を圧着するホットホイルであるため、仕上がりも、コールドホイルに比べて重厚感があり、輝度が高く、加飾部分の盛り上がりにより、輝きは乱反射起こし「玄人好み」というのも選定の理由だ。

島津印刷では、導入後さまざまな加工を行い、その性能を検証し、また製品も世に送り出している。
テストで作った金屏風は箔の効果を存分に発揮しており、その輝きを過不足なく表現。また、果物の写真についた水滴をニスの光沢で表し、みずみずしさやシズル感を後加工により実現している。

実際の使用事例では、名刺のワンポイントニスや、1枚からの少量の認定証・表彰状、結婚式のアルバムなどがある。また、レギュラーの仕事では調味料のパッケージにも箔加工を行い、いずれも印刷物の付加価値を高め、商品に高級感を醸し出している。
特に注目されたのは住宅メーカーのダイレクトメールで、たいへん大きな反響があった。
「デジタル箔は1枚にかかるコストは箔より上がってしまうが、少量で、広告や販売するものの単価が高い場合に非常に効果を発揮し、喜んでもらっている」と島津副社長。
実際の採用事例では100~1000枚程度が経済ロットとなる。

 

ノウハウが必要だからいい!

操作性についてはどうだろう。
この点について島津副社長は「海外の機械特有のクセなのか、正直言って簡単には使いこなせなかった」と導入初期の苦労を思い出す。
導入してすぐでは、オペレーターが慣れないと、続けて良品を加工することが難しく、その感覚をつかむまでに多少時間がかかった。
ただ、これについては「ノウハウがないとできないのは、印刷会社にとっては良いこと」と前向きに捉えている。誰でも簡単にできないクセの強い機械であればあるほど、オペレーターの腕や経験が生きてくるからだ。

企画制作課の五十嵐宏充主任も「動かすだけなら誰でもすぐにできるが、自分の思った加工に仕上げるには、それなりの技術が必要。当初は苦労する部分はあったが、3カ月ほどでひと通りの加工ができるようになり、今はなくてはならない存在」と「JETvarnish 3D」について説明してくれた。

オペレーターに必要な技能としては、デザイナーの経験がある人が良く、当然だがフォトショップなどのDTPで使われるソフトを一通り使えるのが最低条件になる。

今後について島津副社長は「デジタル加飾は市場がないところから、やっと立ち上がり始めた。他の導入企業とともにチャレンジし、市場を盛り上げていきたい。コニカミノルタさんにも多くのサンプルづくりをさせていただき、展示会で発表するなど腐心していただいた。この努力にも報いるような市場にしていきたい」と意気込みを語ってくれた。

島津印刷
http://www.shimazu-pnet.co.jp/

 


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