【2022年9月6日】大日本印刷(DNP)とグループ会社のDNPエスピーイノベーション(DSI)はこのほど、「行動認識AI」をオンサイト(接客現場)でのBPO(Business Process Outsourcing:業務の委託)サービスに導入する。
同社は2019年から、ベトナム国家大学ハノイ校と共同で、人の多様な行動や振る舞いを統合的に捉え、人のインサイト(特徴・状態・関心)を推定し把握する行動認識AIの研究を行ってきた。
同サービスでは、この研究を活かしたもので、接客スタッフや来訪者の行動ログから、個々の接客現場に適した状況をつくり出し、スタッフのパフォーマンスやエンゲージメントの向上、来訪者の体験価値の向上につなげる。
接客関連業務を受託するオンサイトBPOサービスは、期間が限定的でその都度実施場所も変わることが多い。このため、派遣するスタッフの折衝力・対応力が、大きな提供価値となるが、特定のスタッフへの負荷の集中や、スキルへの依存が大きくなる。
こういった状況では、ナレッジマネジメントやスタッフの適切な評価、課題や状況変化の迅速な把握などが課題となっていた。
DNPは、この課題の解決に向け、今回、オンサイトBPOサービスに「行動認識AI」を導入し、売場の接客スタッフをはじめとする人の行動ログの収集・蓄積・分析できるようにした。
「行動認識AI」は、特定のエリア内にいる人の行動やしぐさ、振る舞いを認識。カメラで人の骨格を捉え、手の動きや顔の向きのほか、身体の姿勢、しぐさ、滞在時間や移動経路などを感知し、行動ログを収集・蓄積する。
この行動ログを活用し、各売場での課題や変化を分析し、DNPから派遣するスタッフのパフォーマンスやエンゲージメントの向上を実現する。
また、個人情報保護の観点から、撮影した売場の映像を骨格情報の数値に置き換えて収集。これを視覚的、直観的に理解しやすい骨格動画に再現することで、誰にでもわかりやすい形にし、売場の状況や課題の可視化につなげる。
同AIは、人の振る舞いを認識する汎用的なAIモデルにあらかじめ学習をさせて、売場に合わせて複数組み合わせて使うことで、最小限の情報から分析を開始可能。ロケーションが変動的な出張窓口や出前授業などに向けたオンサイトBPOでの導入に適している。
今後、DSIは今後も、オンサイトBPO事業におけるAIなどのテクノロジーを活用した現場の可視化を推進し、売場における生活者の体験価値および働き手のモチベーションの向上を実現していくとしている。
ベトナム国家大学との共同研究
https://www.dnp.co.jp/news/detail/10158064_1587.html
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