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【ちょいとコラム】コロナから人々を守る 人工知能&SNS顔負けの「地域クラウド」とは!?


【2020年12月21日】今年、最も困ったのが取材の訪問。緊急事態宣言の最中はもちろん、最近でも許可をいただけないケースがある。特に感染の少ない地域への訪問に関しては、お断りをいただくケースが多かった。

 

風評と実害

やはり理由は「感染した場合の風評被害とそれによる実害」。
感染の多い地域では、もはや「相身互い」「お互いさま」で、きちんと事後処理ができればいいという考えになりつつある。また、それは人口の多い関東圏の特性でもある。

一方、感染が少ない地域では、「〇〇社の〇〇さんが感染した」と実名が知れ渡り、ともすれば営業マンが得意先から出入り禁止になってしまうケースもあるという。さらに言えば、社員でも現場の作業者関係者以外は、工場に立ち入れないケースもあり「社長でも立ち入り厳禁」という会社もある。
これではとても、他地域から来た人が、おいそれと社内に入れる雰囲気ではない。
自社の利益を新型コロナから守るための手段としては、これが正しいと思う。思うのだが、取材に行けないという部分で、記者は大きな課題を抱えることになった。

ただ、記者発表やセミナーなどは、オンラインになり、移動が必要ないことから午後2時開始と2時半開始の掛け持ち、なんなら同時視聴といった無茶が可能になった。また、行ってみて「とんでもない空振り」というケースがなくなったのもありがたい。
前にも書いたが、その分、顔を合わせての情報交換や交流ができなくなったことはかなり痛い。今年、この分野に新たに参入したという人たち(新入社員も含めて)は、特に困っているだろう(実際「現場を見たい」という声もいただいている)。

 

すごいぞ!地域クラウド

さて、新型コロナウイルス感染拡大で、旅行はもちろん、帰省などを取りやめた人も多いのではないだろうか。
記者も帰省はやめておこうかなと思ったのだが、老母の「神棚の掃除だけはしてほしい」との、たっての願いと、別件の取材があるため、実家に少し立ち寄ることにした。

そこで巻き起こったのが、小さな「コロナ恐怖騒動」。
なんと年末に来るはずだった、近隣に住む妹一家が「行かない」と言い始めた。
妹の旦那は学校関係者。万が一「東京方面から来た人に接触して感染してしまったら」「学校で生徒にクラスターが起こってしまったら」と考え、「非常にまずい」という結論に達したらしい。
これを、「旦那のご両親が心配して助言」→「それを旦那から妹が聞いて」→「やっぱり実家に帰るのやめよう」となったのだそうだ。

 

先ほどの感染が少ない地域の話ともリンクするが、うちの実家のあたりだと、地域のほとんどが顔見知りで世間が狭い。
記者は、実家を離れて30年にもなるが、未だに実家の周りを散歩をしていると「おや!〇〇さんちのアンチャ!(長男の方言、弟はオッチャ)」と声を掛けられる。

一度、記者が子供を連れて歩いていたら「あら~立派になって、子供まで連れて~。治ったんだね。よかったね~」と言われたことがある。
「治ったって何?」と子供と問い詰められ困ったが、よっぽど自分は地域の人から「頭のおかしいバカ息子」「どこかに飛び出していった半グレ」のように映っていたのだろう(実際はそんなにひどくなかったし、おそらく同姓同名の別人と勘違いしてのことです…たぶん)。

ところが30年前に子供だったこちらは、相手がどこのだれかよくわからない。「誰だっけ?」と母に尋ねると、「そんなこと言うのは〇〇さんだ」とこれも分かってしまう。

そのぐらい地域が狭く、人が少なく、おじいちゃんおばあちゃんの脳裏にはAI以上の顔認識能力が備わっており、即時に脳内で名前や家系、過去の悪行との紐づけがなされる。

また、その高齢者の間では、SNSは普及していないが、「リアルツイート(実際のつぶやき)」の拡散力がハンパない。一人に知られれば、地域全体に、事実が知れ渡る地域クラウドコンテンツ(形のあるものでも、デジタルでもありません)が完備されているのだ。
妹が感染と風評を恐れて「来ない」という判断に至ったことは、完全に理解できる。

そういう地域クラウドコンテンツに属さない人は、この感覚が理解できないらしく。いつもお世話になっている美容院のお姉さんにこの話をしたら「八墓村ですか?」と青い顔をされた(狐に化かされるとか、トトロが出るとか、少し話を盛りました)。

本当にこのくらい地方と都会では意識の差がある。少なくとも400年以上は同じような家系の顔触れが大半で、全員の顔を認識できる田舎と、隣の家に住んでいる人の顔も知らない都会とでは「コロナが出た」の意味合いが根底から異なるのだ。
「地域クラウド」に乗っていない者にとっては、ある意味ばかばかしいと感じてしまうだろうこともよくわかる。
しかし、これがある意味その地域の人々を、コロナウイルスの感染から守っているともいえる。

というわけで、愛する故郷の皆さん、記者は感染対策を徹底し、仕事も兼ねていくので、よろしくお願いします(帰省の言い訳終了)。

 


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