【2020年11月10日】日本印刷技術協会(JAGAT)は11 月6 日、 研究会セミナー「構造不況を乗り越える出版社のデジタル展開」をオンライン開催した。
同セミナーでは、デジタル活用の成功について、印刷会社が今後どのように出版社を支援していけるかなどについて考察した。
「東洋経済オンラインの舞台裏」では、東洋経済新報社「東洋経済オンライン」編集部長の武政秀明氏が講演し、自社サイト「東洋経済オンライン」の事例を中心に解説した。
「東洋経済オンライン」は2003年開設されたビジネス情報メディアで、月間2億ページビュー(PV)前後と、この分野では日本で一番読まれている。
2012年にリニューアルされ、この時、従来、小出しにしていた記事を本格的な内容に転換し、それ以降PVが伸びているという。
武政氏は情報サイトについて「記事の質がよりダイレクトに反映する」と話す。
「DNP が進めるインターネット広告事業」では、大日本印刷出版イノベーション事業部の落合巧氏が自社の広告業展開について話した。
同社は出版社向けの広告事業を展開し、潜在的な書籍需要や購買需要の掘り起こしを行っている。
落合氏は「昔は本屋を見ると未来が分かると言われたが、今も書籍の購買がその人の次の行動を決めるケースが多い」と話し、そこを広告でつなぐことが同社の役割と解説した。
「出版社を支援する印刷会社によるサイト構築」では、萩原印刷社長の萩原誠氏が、コロナ禍における出版業界の現状認識や自社が進めるサイト構築事例について話した。
同社は1925年創業で、活版印刷の時代から事業を行う老舗の印刷事業者。
1990年代半ばという比較的早い時期にインターネットのサイト構築事業を開始し、出版社のデータベースの構築なども手掛け、現在は電子書籍のサイマル出版にも対応している。
萩原社長は「付き合いの長い印刷会社だからこそ、出版社が安心してサイトの構築を任せられる」と事業を振り返った。
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