【2016年7月22日】キヤノンプロダクションプリンティングシステムズは7月21日、東京都港区港南のキヤノンSタワーで、キヤノンデジタル印刷フォーラム「Commercial Printing Business Day」を開催した。
同フォーラムは「drupa2016」後のデジタルプリンティングについてさまざまな講師が語るセミナーと、協力企業によるテーブル展示が行われた。
冒頭、キヤノンプロダクションプリンティングシステムズの峯松憲二社長が次のようにあいさつした。
「当社は産業用印刷に参入後の7年間で1000台以上のデジタル印刷機を販売し、欧米でのシェアは40%に達した。このことから、世界のトレンドを日本に届けられる数少ない企業と自負している。今回はオセの幹部を呼び、欧米の印刷事情を報告してもらう。また、多くのパートナーに参画いただき感謝している。今後も努力をしていきたい」
基調講演「from drupa 2016 to drupa 2020 – キヤノンが描くデジタル印刷の未来 –」では、講師にキヤノンソリューションズアメリカのフランシスA・マクマーン氏、オセプリンティングシステムのクリスチャン・ウンターベルガー氏を迎え、アメリカやヨーロッパのデジタルプリンティングについてさまざまな事例を紹介し、drupa2020 に向けた製品ロードマップを開設した。
司会はキヤノンプロダクションプリンティングシステムズの松藤勝弘氏が務めた。
各氏の主な発言は以下の通り
マクマーン氏
drupaの傾向は前回の2012年から顕著に変わってきている。特にインクジェットは4年前には、できなかったことができるようになった。
デジタル印刷はトナー機なども含めてパッケージへの提案が多くなったように思う。特殊な加工、スピットカラーやワニスといった展開も目立った。これらはインダストリー4.0によって合理化されるだろう。
キヤノンでは最新機とともに「ImageStream 2400」や参考出品の「voyager」などを展示した。
米国の印刷業界では、大きな変化が起きている。米国は統合がすすんで大きな会社が小さい会社を買収している。また、デジタル印刷機の採用により、コミュニケーションが変化している。インクジェット印刷機は2019年までに14%の伸び、ページ数で20%増得るという予測がある。
カラー印刷の未来は明るい。2019にはデジタル印刷が390億枚まで増え、そのうち56%がインクジェットで印刷される。
印刷業界では2019年までにプロモーションやパブリッシングなど印刷が増えていくとされるが、マーケティングが鍵を握っている。プリントコミュニケーションはその手助けの一つで、投資に対するリターンが求められるようになるだろう。
クリスチャン氏
デジタル印刷機に関しての変化だが4年前は使用することを説得していた。いまは理解が進んだと感じるし、アナリストからの評価も高かった。
まず、トランザクションマーケットが生まれ、その市場では「Océ ColorStream」にオプションを搭載し、印刷に付加価値を与えている。デジタルでのプリントは増えており、今後はさらに品質を高めることが必要となる。オセではdrupaでクロメラインクを披露し、その品質の高さを示したが、その流れはさらに進むだろう。
キヤノンの連帳インクジェットプリンタは世界市場の33%、モノクロ連帳では53%を獲得し、シェアナンバー1を獲得している。
このほか同イベントでは、一般企業のマーケティング担当で、印刷物に関わりの深い印刷発注者を招聘。印刷物の未来をテーマにパネルディスカッションを行った。
また展示コーナーでは、王子製紙や日本製紙、三菱製紙などがIJ専用紙を、北越紀州製紙は圧着ハガキを展示。hunkeler AGは後加工機を、Videkはデジタル印刷用の検査装置を紹介。プルキャスト、レゾロジック、ポーラ・メソッドはプリプレスや工程管理のシステムを提案した。
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