【2026年2月2日】日本HPとCRAZYCORPS(クレイジーコア)は1月22日、東京都板橋区のクレイジーコア高島平工場で「オープンハウス」を開催した。
サイン・ディスプレイ業界関係者を中心に多くの来場者が訪れ、最新のHP Latexプリンタの実機デモンストレーションや、導入企業による活用事例の紹介などを通じて、同社の設備構成とビジネス展開に触れる機会となった。

クレイジーコアは、音楽フェスやスポーツイベント、展示会などのイベント施工で豊富な実績を持つ企業で、近年、事業譲受を通じてサイン・ディスプレイ分野へ参入。高島平工場は、その中核拠点として、プリントから加工、施工まで一貫対応できる体制を整えている。
HP Latexプリンターは、環境配慮型の水性ラテックスインクと、ロールからボードまで幅広いメディア対応力を特長とし、国内外のサイン・ディスプレイ市場で導入が進む。今回のオープンハウスでは、導入の決め手や運用の実態、ビジネス効果に加え、新たな印刷用途の提案、市場動向に関する情報共有など、多角的な内容が紹介された。
会場では、最新の「HP Latex FS50」と「HP Latex R530」の実機デモンストレーションが行われた。「FS50」は、最大メディア幅3.2mに対応するHPの最新フラッグシップモデルで、屋外品質で最大89㎡/時という出力速度がある。5リットルの大容量インクカートリッジや高い拡張性を備え、生産性キットやデュアルロールキットなど、将来的な機能追加にも対応できる設計となっている。
一方の「R530」は、リジッド素材とロール素材の両方に1台で対応できるオールインワンLatexプリンター。最大1.6m幅、素材厚5cmまでのボードに対応し、内照サインや立体文字、什器装飾など、従来は工程が分かれていた出力を一貫して行える点が大きな特長だ。
出力サンプルとしては、スチレンボードやベニヤ板へのダイレクトプリント、カッティングしたボードへの直接印刷、蛍光メディアを用いたネオンカラー表現、3層構造で内照時に表示が切り替わるサインなど、多彩な作例が並び、来場者の関心を集めた。

カッティングしたボードへの直接プリントでシューズを表現。
3層構造で内照時にサングラスがめがねになり、ビルや空などが夕景になるサイン
導入企業を代表して登壇したクレイジーコアの坂本一基社長は、「当社は約1年半前にカシマから高島平営業所を事業譲受し、サイン・ディスプレイ業界に参入した新参者です。今回の見学会は、日本HPさんにご協力いただき、業界の皆様と交流しながら情報交換をしたいという思いから開催しました」とあいさつした。

クレイジーコアの坂本一基社長。
譲受当初は設備の老朽化が課題で、プリンタの刷新を段階的に進めてきた。その集大成として導入されたのが「HP Latex FS50」と「HP Latex R530」だ。「FS50」は日本導入1号機にあたり、2機種を同時に見られるのは現時点で同工場のみという。
坂本社長は「『FS50』は、HPのイベントで訪れたシンガポールで実機を見学し、スチレンボードへのダイレクトプリントや、においのなさに驚き、その場で導入を決めました」と振り返る。現在は、完全リサイクル可能なPOPボード「Recoボード」への印刷を中心に活用しているという。
導入された「HP Latex R530」と「HP Latex FS50」
HP大判プリンター事業本部の霄洋明氏は、「R530は、ロール出力してボードに貼り合わせる工程を省略できるため、作業ミスのリスク低減と省工程化を実現します。さらに、ベニヤなどへのダイレクトプリントにより、使用する石油化学製品を減らす環境面での効果も期待できます」と説明した。
実機の操作性も注目点だ。パネル幅を自動計測し、素材種類と長さを指定すれば、タッチパネル上でジョブをドラッグ&ドロップするだけで出力が開始される。プリント担当者は「ロール主体の運用からダイレクト印刷に切り替えたが、違和感なく使えている」と語る。
工場内のパーテーションとして使用されているターポリンや、壁面装飾に用いられている各種ボード素材へのプリントも、すべて両機で出力したものだ。素材感を生かした多様な表現は、来場者にとって具体的な活用イメージを描く手助けとなっていた。

両機を設置している個室の壁も「R530」でプリント。ラテックスインクの素材感を生かしたプリントをアピールしている。
同社ではこのほか、国内では珍しい5m幅のインクジェットプリンタ「VUTEk 5r」や、エプソン「SC-S80650L」のリファービッシュ機なども導入。小ロットから大型案件まで柔軟に対応できる設備体制を構築している。

坂本社長は「1年半で試行錯誤しながら、プリントできる領域を広げてきました。今日来場された皆様は業界の先輩方です。今後も学びながら、価値ある表現とサービスを提供していきたい」と締めくくった。
イベント施工で培った現場力と、最新のプリント設備を融合させるクレイジーコア。その取り組みは、サイン・ディスプレイ市場に新たな選択肢を提示しつつある。
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