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ブラザー工業 ローランド ディー.ジー.に対しTOBを予告 米投資会社に対抗し株式買い付けへ

【2024年3月18日】ブラザー工業は、ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)の株式の公開買付け(TOB)を予告した。

ブラザー工業では、2024年5月中旬を目途に開始することを目指しているが、ローランドDGは今年2月に米国の投資会社のXYZとともに、同社株のMBO買い付けを行い、これを非公開化することを発表していた。
ブラザー工業の動きは、これとは別でローランドDGの同意を得ていないものとなる。

1株当たりの買い付け価格は5,200円で、XYZ公開買付けの価格である1株当たり5,035円より165円高い価格となる。
一方のXYZのMBOは3月27日に終了する予定だが、ブラザー工業の動きはこれを阻止する目的。

ローランドDGは、公式ページで以下のコメントを出している。
「ブラザー公開買付けの公表に関して当社はブラザー工業より事前の連絡を受けておらず、ブラザー公開買付けは当社取締役会の賛同を得て実施されたものではありません。ブラザー公開買付けに関する当社の考え方に基づく当社の対応につきましては、当社取締役会および特別委員会にて、当社の企業価値および株主共同の利益の観点から、ブラザー公開買付けに係る開示文書の内容その他の関連情報を分析・検討した上で、あらためて株主の皆様にご案内いたします。
株主の皆様におかれましては、ブラザー公開買付けに関する考え方を含む当社から開示される情報をご確認いただいた上で、慎重なご対応をいただきますようお願い申し上げます」

ローランドDGは、大判プリンタを中心に、産業用や医療用の加工・工作機を多数開発・販売しており、2023年12月期の売上高は約540億円。

一方のブラザー工業は、家庭用プリンタやファクス、ミシンのほか、産業用のプリンタを多く開発しており、2015年には、デジタル印刷機メーカーのドミノ社を完全子会社化している。売上高は2023年3月期が約8,152億。

 

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