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【工夫と創造のこの企業】マルスギ 閉めるはずの会社をデジタルプリントで再生


【2018年8月8日】マルスギは名古屋市北区にある染色業者。7年ほど前から大判のインクジェットプリンタを導入して、テキスタイルプリントを行っている。杉原智博社長は、サラリーマンを辞め、実家に戻り、同社のデジタル化を進めた。
先代が引退すれば、閉めることも考えていた同社だが、このデジタル化により、新たな可能性を見出した。
今回は同社の杉原社長に話を聞いた。

マルスギ

 

閉めるはずの会社を継ぐ

――自社の紹介をお願いします
主な仕事は、オートスクリーンプリントとデジタルプリントです。
オートスクリーンは大量生産に向いたプリント方法で、版を必要とし、資材品向けの綿を主体としたプリントを行なっています。こちらがもともとの仕事で、私が帰ってきてからデジタルプリントを始めました。

――どういったものに使われるのですか
主に手ぬぐいです。名古屋はかつて手ぬぐいの生産が盛んな土地で、その関連業者が多かったのです。
当社は晒屋(生地を漂白する仕事)として始めて、ロール捺染からプリントの方向にシフトして行きました。
しかし、そういったものの生産は海外へ移っていきました。その中で当社も一時期、非常に厳しい状態にありました。

マルスギ

――その中でなぜ、跡を継いだのでしょう
サラリーマンしていましたが、そこで自分がどうしても必要とされている、自分だけにしかできない仕事と思えなかったからです。
父は継がせるつもりはなく、自分の代で「閉めてしまおう」と思っていたようですが、「それはもったいない、どうせ閉めるなら自分がやってみてから閉めればいい」と考え、父が元気なうちにいろいろ教えてもらおうと思い戻ってきました。
まあ、サラリーマン生活も特にバブリーなものではなかったので、どうせなら実家で頑張って稼いでやろうという気持ちもありました(笑)。
それが26歳の時でしたので、それから7年が経ちました。

 

大判プリンタ導入のきっかけ

――今、武藤工業の大判プリンタがたくさん入っていますね
最初、別の会社の機械を入れたのですが、まったく経験がなかったため、うまくいきませんでした。そこで、もう1台武藤工業のダイレクトプリント機「ValueJET」を入れて、ダメなら商売もやめるくらいのつもりで取り組みました。

マルスギ

――「ValueJET」の選定理由は
当社は綿が中心で、反応染料が中心。このため、後工程に蒸しがあっても対応できたことから、ダイレクトプリントを選択しました。ものづくり補助金が出たことも大きいですね。
同じタイミングで、中古のミマキエンジニアリングの「JV4」も中古で手に入れ、昇華転写も行っています。
このあと、3台目はエプソンの昇華転写型IJPを入れました。巻き取りの性能がいいですね。

――7年でデジタルとスクリーンの割合いはどのくらいに
デジタルとスクリーンは半々になっています。
スクリーンを維持しつつデジタルを伸ばしていますが、この伸びは短期間に大きかったと思います。

――デジタルプリント導入でほかに変わったことは
縫製も内製化しました。
従来は外注にしていましたが、短い納期とコストを考えて、縫製できる人材を入れています。
一部、ハンカチや手ぬぐい、法被など縫製が必要な商品の生産もあるので、最終製品までできることは大きいです。

――納期の平均は
法被など縫製が必要なものは1週間、「どうしても」ということであれば3日間でも仕上げます。

 

IT関連をさらに強化

――売り上げが非常に伸びているようですね。要因は
まず、実は地元の繊維問屋街が壊滅的で、まとめて仕事ができるところを求めていたことがあります。生地屋でデジタル捺染ができる会社というのはほとんどなく、当社に仕事が集まってくるようです。
さらに縫製までできる会社となると貴重なようで、ホームページを見た人からの問い合わせも多いです。

マルスギ

――デジタルプリントの良いところは
注染や捺染などアナログプリントに比べて、自由度が高いです。
ただ、誰でもできるというものではなく技術的な蓄積がいるという部分もいいと思っています。

――どのような用途のものが多いのですか
手ぬぐいは、配りものもありますが、グッズとして販売しているものも多いです。
法被は販促用のユニホームとしての注文が多いですが、キャラクターグッズとしても生産しています。
さらに、インクジェットプリントはアニメ系やゲーム系のキャラを描いたものが多く、これらのグッズは増えていますね。

――注文の傾向はありますか
少量生産の品が多くなってきており、デジタルプリントの活用の機会が増えています。
お客さまは、かつては名古屋近辺が中心でしたが、今は東京や大阪のお客様も増えています。

――今後の目標などは
インターネットからの注文が多くなってきているので、ウェブサイト作りながら、IT関連の勉強も進めていきたいです。
繊維業界は存亡の機器を何度も迎えているので、気を抜かず多くの方に当社の良さを知っていただきたいと考えています。

マルスギ
http://www.marusugi-print.com/

 


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