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【開催中レポート】JITF2026 インクジェットの最先端技術が一堂に 広がる産業応用 立体物・食品・包装材への展開も

【2026年10月20日】インクジェット技術の産業応用に特化した展示会・セミナー「ジャパン・インクジェット・テクノロジーフェア2026(JITF2026)」が10月19日、東京・京橋のTKPガーデンシティPREMIUM京橋で開幕した。会期は今日20日まで、主催は大野インクジェットコンサルティング。

展示会はテーブルトップショー形式で、インクジェットプリントヘッド、インク、印刷システム、加工技術などを紹介する。印刷分野に加え、立体物や食品、建材、包装材、繊維などへの応用が広がっており、デジタル技術による製造工程の効率化や、新たな製品づくりに向けた提案が見られた。

展示会レポート

アドビは、印刷物の制作から出力までの工程を効率化するソリューションを紹介した。印刷用PDFの作成では、箔加工などの後加工を含む入稿データの準備や、塗り足しの設定などに専門的な知識が求められる。Web to Printの仕組みにデータ処理を組み込むことで、塗り足しの認識や補正などを自動化し、熟練者に依存しない制作工程を目指す。異なるメーカーの出力機でも安定して印刷できるデータ運用もテーマとなった。クラウドを必須としない運用も視野に入れる。

トライテックは、インクジェット関連の技術やサービスを紹介した。多様な顧客の個別ニーズに応じた対応を強みとし、大手企業の製品やサービスを支える技術を提供している。具体的な展示製品の名称や仕様は確認できていない。

Printioは、OpenFactoryが展開するプリントオンデマンドの仕組みを紹介した。Webサイトや既存サービスに連携機能を組み込み、オリジナル商品の受注から製造、個別配送までを一括して扱える。
注文が入ってから製造するため、在庫を抱えずに販売でき、1個からの小ロット生産にも対応する。全国の専門工場と連携し、メーカーのパーソナライズ商品、企業のオリジナル資材、ECサイトの商品、コミュニティ向けグッズなどへの活用を提案した。
Printio
https://printio.me/

DNPファインケミカルは、水性インクジェットインクを中心に、フィルムや床材など紙以外の素材への応用を紹介した。同社は大日本印刷グループの化学材料メーカーで、印刷用インクや機能性材料を開発・製造している。
ペイントプロテクションフィルム(PPF)向けでは、柄をインクジェットで形成する技術に加え、常温で傷を修復するトップコート機能を組み合わせる構想を示した。
床材向けの「IJ-LVT」では、従来のグラビア印刷では一定の生産ロットが必要だった柄を、インクジェットによって数百メートル程度から製造する可能性を提案した。印刷後に貼り合わせ、エンボス加工を施すことで、表面の質感も付与できる。

コニカミノルタは、産業用インクジェットプリントヘッドを展示した。「KM1024iSHE」や「KM1800iSHK-DC」などのヘッドを紹介し、装置の小型化や多色化、生産性の向上に向けた選択肢を示した。ブースでは段差のある段ボールへのプリントを披露している。製品は、プリンティング用途だけでなく、さまざまな製造工程への応用が進んでいる。

インクメーカーのゼネラルは、産業用インクジェットインクとHPの印字システムを紹介している。
包装分野を想定し、ロット番号やQRコードなどの可変情報を印字する用途を提案。インクが染み込みにくい素材への密着性や速乾性、安全性などを訴求した。
HPのプリントヘッドとインクを一体化した小型の印字ユニットは、トラブル時にヘッド交換による復旧が可能で保守負担を抑制でき、故障によるダウンタイムを短く抑えられる。段ボールに直接印字してラベルを減らす用途も紹介。評価機や試作機によるデモンストレーションにも対応する。
担当者は「HPとのヘッド使用に関するライセンス契約があることで、さまざまな構成が可能。直接ライセンスの取得は難しいことから当社がお役に立てる」と話す。

ユニオンケミカーは、得意とする食品や医薬品などへの可食性インクを使ったサンプルを展示している。
同社は各種プリンタ用インクの開発・製造を手掛け、食品向けでは食品添加物などを用いたインクを提供する。クッキーやマカロンなどの菓子に加え、水分を含む食品や冷凍食品への印刷にも用途を広げている。これまで小ロットのノベルティや菓子への印刷が中心だった分野で、スーパーなどで販売する食品への採用も広がっているという。広告や販促、スポーツ関連の用途も見込む。また、非吸収性フィルムに対応する速乾性インクも紹介した。

初出展の楠本化成は、インクジェット向け添加剤をPRしている。同社は塗料、印刷インキ、接着剤などに用いる添加剤を扱い、自動車用塗料をはじめとする工業材料分野で事業を展開しており、プリンティング業界ではインキメーカーとの取引がある。インクジェット用途では、インクの粘度や吐出性、基材への濡れ性などを調整する添加剤の提案を進める。インクの高粘度化など、用途に応じた性能への要求が高まるなか、従来の塗料・インキ分野で培った材料技術を応用する。

エプソンジャパンは、立体物への直接印刷ソリューション「CONTOURJET」で出展。エプソン販売は2026年10月から社名を変更しており、プリントヘッドの外販にも力を入れる。「CONTOURJET」は、小型のPrecisionCoreプリントヘッド「S800」と産業用6軸ロボットなどを組み合わせ、曲面や凹凸のある立体物に直接印刷する仕組みだ。従来は人手で行っていた印刷工程を自動化し、製品の形状に沿った印刷を可能にする。グッズなど多様な製品への展開を見込む。S800の有効印字幅は約1.33インチで、複雑な形状に追従する印刷技術で活用されている。
https://corporate.epson/ja/news/2026/260916.html

日本化薬は、段ボール向けの新しいインクジェットインクを紹介した。
新開発の濃い色を表現できるインクによるサンプルを展示。サンプルは旧来のインクを使用した場合との比較での展示を行い、進化をアピールしている。包装では、商品を目立たせる色表現や、印刷できる素材の拡大が求められていることから多くの製品での採用が期待されるという。フィルム向けでは、前処理剤を使わずにプリントできるインクに加え、前処理剤も開発し、素材や用途に応じた選択肢を広げる。

富士フイルムビジネスイノベーションは、10月に同製品の発売したホットメルトインク向けのインクジェットプリントヘッド「FUJIFILM Dimatix STARFIRE PhaseMaster」を紹介している。製品は包装やテキスタイル、食品、印字・マーキングなどへの応用を想定し、安定した吐出と保守性を特徴とする。解像度は400dpiで、インクを加熱するヒーターと温度センサーを内蔵する。このほかインクによる構造色の展示も行っている。

PODiは、インクジェット関連の視察ツアーやイベントに関する案内を行っている。
PODiはデジタル印刷の普及・活用を推進する業界団体。来年スイスで開催される「HUNKELER INNOVATIONDAYS 2027」への視察ツアーを企画しており、参加者を募集している。
期間は2027年2月21日から27日までの7日間で、フンケラーが行う展示会に加え、デジタル印刷やWeb-to-Print、生産工程の自動化に取り組む現地企業を訪れ、印刷から後加工、発送までの生産システムやサービスを視察する。募集人数は15~25人。旅行費用は69万5000円。第1次申込締切は12月25日(金)。主催は印刷出版研究所とPODi、旅行手配はベストワールドが担当する。
ツアー詳細は以下から
https://podi.or.jp/press/20271005/

佐川印刷は、「何にでも印刷します!」をテーマに、2.5Dの立体プリントや3Dプリントを紹介した。2.5Dプリントは、UVプリンタを使ってインクを盛り上げて製作する方式でチャンピオンベルトのを模したサンプルを紹介している。
3Dプリントでは、スキャナーで取り込んだ形状を基に印刷する方法と、写真などの2Dデザイン段階から形状を作り込む方法を紹介。また、UV-DTFによるヘルメットなどへの転写サンプルも披露している。同社では「平面への印刷にとどまらず、立体感や素材の形状を生かした表現によって、印刷の用途を広げたい」としている。

マスターマインドは、フラットベッド型UVインクジェットプリンタ「MMP-X9060」を展示した。プリントヘッドにはエプソンの「I3200-U1」を3基搭載し、オプションで4基まで増設できる構成。カラー、ホワイト、バーニッシュに対応し、900×600mmのテーブルで素材を固定して印刷する。最大150mmの高さに対応し、立体物や厚みのある素材への印刷を想定する。バーニッシュは光沢や質感などの表面表現に用いる透明インクで、カラーやホワイトと組み合わせることで表現の幅を広げる。

東洋インキは、各種インクジェットインクを展示した。インクジェットでは、プリントヘッドとの適合性に加え、素材への密着性、乾燥性、発色などが印刷品質を左右する。包装材や工業用途など、基材や用途に応じたインクの選択が重要になる。

メムジェットは、最新のインクジェットプリントヘッドを紹介した。「メムジェット」は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を活用した高速・高解像度のカラーインクジェット技術。ノズルを高密度に配置し、シングルパスでの高速プリントを得意とすることから、主にラベル印刷や商業印刷などで採用されている。

シンクラボラトリーは、インクジェット印刷システム「FXIJ」シリーズのサンプルを紹介した。展示では「FXIJタイプ1000フルオート」とされる装置を取り上げ、印刷幅約1,100mm、白インクを含む5色構成のサンプルを展示した。欧州での導入事例も紹介し、インクジェットによる装飾印刷の可能性を示した。製品名の正式な表記と仕様の詳細は確認が必要だ。

Sitechは、台湾のインクメーカー。今回も各種インクジェットインクを紹介している。速乾性の高いインクを得意としており、ハンディプリンタを使ったインクのデモンストレーションを行っている。また、ブラックライトを当てると文字が浮き上がるセキュリティーインクも展示。担当者は「セキュリティーはもちろん、近年では謎解きゲームなどのイベントでも採用がある」と話す。

京セラは、産業用インクジェットプリントヘッドを展示した。同社のヘッドは、インクや機能性液体を微細な液滴として吐出でき、材料塗布などにも活用されている。

リコーは、高粘度インクや大きな粒子を含む液体を吐出できるインクジェット技術を紹介した。次世代の「GELART JETヘッド」は、従来のプリントヘッドでは扱いにくかった高粘度の液体を大きな液滴として吐出し、凹凸面や曲面への塗布にも対応する。自動車ボディーの塗装や立体物へのデジタル塗装、二次電池の製造などを用途として想定する。スプレー塗装などに比べてマスキング作業や材料ロスを減らすことも目指す。

松井色素化学工業所は、Tシャツなどのテキスタイル向けデジタルプリントを紹介した。今回はDTG(Direct to Garment)をメイン展示。この方式は衣類に直接印刷する方式で、スクリーン印刷と組み合わせるハイブリッド方式も提案する。スクリーン印刷で生地の毛羽立ちを抑え、その上にデジタル印刷を施すことで、素材の風合いと画像表現の両立を目指す。このほか、顔料インクを用いたテキスタイルプリントも紹介している。

SIIは、インクジェットプリントヘッドを展示した。「508GS」「254GS」などの製品を紹介し、用途に応じたヘッドの選択肢を示した。産業用インクジェットでは、印刷幅や解像度、吐出量、生産速度などの条件に合わせたヘッド選定が重要で、来場者は盛んに説明を求めていた。

理想科学工業は、インクジェット技術を用いた「インテグライド」を紹介した。手提げ袋や木材、包装材への印刷サンプルを展示し、紙以外の素材や立体的な対象物への応用を示した。インクジェットは版を必要としないため、少量多品種の生産や、製品ごとに異なるデザインの印刷に適している。

理想テクノロジーズは、産業用インクジェットプリントヘッド「RISO PRINTHEAD」を紹介した。「CF6/CF6R」「CF3/CF3R」「CF1」などのシリーズを展示し、用途に応じて解像度や液滴サイズを選べる構成を示した。CF6シリーズとCF3シリーズは、1色または2色の構成に対応する。CF3シリーズは最小3~4ピコリットルの液滴に対応し、微細な吐出を必要とする用途を想定する。これらのヘッドは、産業用印刷システムへの組み込みを通じて、さまざまな製造工程への応用が期待される。

藍宇股份(LANYU Digital)は、パウダーを使わないDTF(Direct to Film)を紹介した。DTFは、フィルム上に印刷した絵柄を熱転写などによって衣類に転写する方式。従来のDTFで使われる粉末接着剤を使わない方式により、粉じんや煙を抑え、作業環境の改善を図る。展示では、印刷物の堅牢性や風合いを訴求した。

越前和紙は、和紙へのインクジェット印刷の活用を紹介した。和紙の質感や自然な色合いを生かしながら、デジタル印刷によって表現の幅を広げる提案だ。あわせて、2027年1月20~21日に福井県越前市今立地区で開催する産地視察ツアーを案内した。山田兄弟製紙、岩野平三郎製紙所、杉原商店、清水紙工、五十嵐製紙などを訪問し、手すき・機械すき・加工・卸に携わる事業者の現場を巡る。和紙の製造工程や産地の技術を知ることで、印刷素材としての新たな可能性を探る機会となる。

大野インクジェットコンサルティング
https://ohno-inkjet.com/

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